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● Report No032 / 0223

徐放材(Controlled release)

 薬剤を利用するに際して、必要量を希望する時間に亘って効くようにするための技術が広く開発されている。人体へのDDS(Drug Delivery System)を筆頭に工業品、日用品に至るまでその利用は広がっている。身近には香料をワックスに固めた芳香剤のほか、防腐剤、殺菌剤、脱臭剤、防虫剤、防錆剤と限りない。ワックス固化法とは別に注目されているのがマイクロカプセル化法と光固化法だ。殊に後者は揮散性物質をブロック化のみならず、コーティング(被膜)、シート・フィルム化、多孔質材料への含浸等広く適用でき、ワックス法と異なり、加熱工程がないため、高価な薬剤の損失・変質を招かない利点が大きい。
 殊に紫外線ではなく、よりマイルドな可視光線で固化させる技術が注目されている。従っていずれ誰かが特定薬剤のDDS化に可視光、RIM(Reaction Injection Mold)プロセスで商品化を図ることでしょう。

材料の時代

 産業界は、素材 −それを加工した材料−特性を利用した組立部品−部品、部材と結合して製品とするフロー(流れ)構造である。21世紀に入り、産業も通信/光・電子/環境/バイオ/微細などの要素にシフトチェンジが急がれているが、高度のニーズに既存の材料類で対応することは出来なくなって来ていると感じている。また、一方では思いがけなく得られた新材料によって途方もない用途分野が拓かれたりすることも知っている。
 ダイヤモンド膜、有機エレクトロニクス材料、BN系セラミック材、屈折率分布ポリマー、固体ポリマー電解質、ナノチューブ/フラーレン、光触媒、超伝導材、形状記憶合金、LB膜、などは目が離せない。 現在国家プロジェクトの一環で、自己組織化膜(SAM)メソフェーズ材(液晶)、ナノ空間空間制御材の三領域が官・学・民の共同で進められている。成果が待たれるところである。 新材料の研究開発にこそ、日本の未来がある、というのは過言だろうか。

● Report No031 / 0216

オイルシールのある特許

 シャフトから油や水の漏洩防止の為のオイルシールを材料に装着させるには、貫通するシャフトのオイルシール位置の片側の組立が終わって後嵌めつけ、のち残る片側を組み立てると言う順序であった。その結果、工程は煩雑となり、組立コストも影響を与えていた。そこで或る技術者がこのゴム形成物の一カ所をエイヤッとばかり包丁で横割カットしてしまった。シール特性に問題が出なかったことは勿論である。 "○○はこうでなければならない"との固定概念を持った人には出来ない芸当であろう。この技術者は特許の社内ロイヤリティーで楽しんだとのこと。

必要な箇所のみに付けるには

 表面の特定部分のみ機能付けをしたいと思うケースは多々ある。
導電回路形成では
・無電解メッキによるフルアディティブ法
・導電性ポリマー形成用モノマー(ピロール、チオフェン)
 蒸気のプライマー的触媒パターンとの接融鉛
・ソフトリングラフィーによる導電ペーストのマイクロ
・トランスファーモールド
・インクジェットノズルによる導電剤のマイクロスプレー
・レーザーアシストめっき法
絶縁層形成では
・スポットスプレーシステム
・部分印刷 転写
・マスキングを伴ったCAD
・層膜の貼り付け 等々
材能要素として、潤滑、光反射、色彩、撥油撥水等多々あり、射出成型後のみならず、型内での付与プロセシングは、頭の運動にはテーマとして好適でしょう。

 

● Report No030 / 02月09

海島構造

 昭和42年頃、米国化学会社がアクリルレジンと合成ゴムの相溶物を創出し、耐衝撃性の良い接着剤を可能にしたのを皮切りに、接着剤のみならず、今日に至るまで、広く研究が進められている。油を硬性ポリマーとし、島を柔性ポリマーとする組織構造体で、エポキシ/ゴムや、最近では結晶性シリコン/非結晶シリコンも研究されている。 柔と剛は相互に補い合って、[曲げ強度/曲げ弾性率]のバランスの取れた力学特性を持つポリマー構造体はその利用度は高い。単に海島構造用成型コンパウンドのみならず成型プロセスについても高次の技術が開発されている必要があるでしょう。例えば、ホットスクリュー内コンパウンド化による事前コンパウンド不要化、成型後の光照射による弾性率コントロール操作、部分照射によるエリア強度調整、強度勾配をもつ成型物、等々いろいろ出現してくるでしょう。この海島構造とは異なっているが狙いは同じ、という技術にIPN(相互篏入ポリマーネットワーク)がある。

機能性 微細粒子

 昨今、ナノ・レベルの超微細粒子が続々と出現するに伴い、それらの持つ独特な機能に注目が集まっている。炭素系ではフラーレン、C60、カーボンナノチューブ、無機系ではメゾスコピック、多孔体、珪酸塩系ではインターカレーション、シリカゲルその他に酸化チタン、ダイヤモンドダスト等がある。 これらの微粒子が有している機能を損なわない形でどの様にして駆体(坦体)に保持・固定・成型させるかが開発テーマになるであろう。既に開発された例で挙げれば、他孔質セラミック粉の孔表面に光触媒TiO2を付着させて、TiO2の強力な酸化力による劣化・脱離を抑え込んだ技術。微細粒子の2D化、3D化は開発テーマの宝庫と言えよう。

 

● Report No029 / 0202

可視光に応答する

 最近、紫外線(UV)エネルギー利用の材料技術が華やかであるが、より柔らかな可視光線(VL)で作用させられないか、を追った技術を二種紹介します。
・VL応答型酸化チタン
 構造的には酸素欠陥型TiO2で、太陽光中にUVの10倍もあるVLを利用出来、さらには蛍光灯、白熱灯でも応答する優れもの。ビルの合間、浴室でも使えるとなると市場(建材表層による環境悪化、大気浄化)は大きい。(資源環境技術総合研究所)

・VLラジカル重合開始剤
 VLでラジカル発生が出来れば、100%反応系(エコ型)塗料はもとより高度好感度写真。開発材料、色素レーザーを用いたVL記録材料などのその利用は拡がる。 部分的には モノンアミン系、アルキルボレート/シアニン、モルアジン系、などが研究されている。
  上記2種と合格組み合わせた配合系は一見意味が分かりそうですが、如何ですか?

可視光硬化性レジンの利用

 紫外線(UV)によって硬化物を得る利用例は多々ある。一方波長がUVより少々長い可視光(VL)や赤外線(NIR)領域で硬化反応する種の利用はこれからだ。VL−NIR系はUV系に比べてやや反応速度が遅くなる反面、深く(厚く)硬化させられるし、フィラーの配合による機能付与も融通性に富んでいる。いろいろなフィラーを添加した組成物が得られれば何に使えるでしょうか。シンプルに考えてみましょう。
(例)[フィラー種]    [予測特性]
   ポリオレフィン粒・・・可撓性
   磁性粉・・・・・・・・EMI
   蓄光材・・・・・・・蛍光材
   シリコンカーバイド粉・耐磨耗
   抗菌剤
   オイスター類
   ノルボルネンゴム粉
   トナー類
   シリカ・・・・・・・・光造型
反応系の触媒毒とならないフィラー成分ならば何か特徴が出ると思えますが・・・。

 

● Report No028 / 0126

ロボット

 ロボットが社会的に大きな注目を集めているのも、今まで物の製造に労働条件契約の不必要な機械的手作業のレベルから更に進化し、移動する運動機能(足)、手先の感覚(触覚)を伴った疑似人間的なものへと発展し始めたからだろう。それは細管内のメンテナンスや果実園の摘み取り、火災の中からの救出、深海作業、老人介護、宇宙空間での作業とかぎりなくその利用は拡がる。更にはエンターテイメントロボットのように人の心に働きかけるものまで既に出現している。 機械とプロセスに微力ながらも関わっているPPiは「ロボットの一体成型」を夢見ている。
・知能チップ/視覚センサー
・アクチュエーター付手足
・触覚付手足
・各モジュールを結ぶ光/電子回路
・エネルギー貯蔵庫
  などを型内配列固定成型とし、表層(皮膚)加触成型を新規のデュアル(Dual)/ハイブリッド(Hybrid)成型プロセスが夢想される。

ポリシラン

 ケイ素が高分子の一種で、炭素系ポリマーよりも電子構造の重なりが大きいため、多電性や光感応性、加工のし易さなどからハイテク材料として導電性回路形成についてはNEDO主導により開発が進められている。
(1)アルカンチオールのSAM膜をレジストとして無電解メッキ(Cu、Ni、Au)をポリジラン上に形成する方法。
(2)フォトリソグラフィーにより、レジストを使用せずに、直接光よりマスクを通して回路形成されるもの。抵抗率比10の14乗Ωp/Ωpが達成された。 この他色々な手法が考えられるのだろう。

 

● Report No027 / 0119

カーボンナノチューブ

 先に発見されたC60フラーレンをさしおいて、利用期待分野の広いナノチューブの研究は今や花盛りだ。 多種材料を混合しての複合材料、半導体素子材料、新規のディスプレー材構成、ナノスケールプローブ、水素貯蔵材、センサー、触媒として等、その拡がりは限りない。 ナノチューブの作成には、アーク放電法やレーザー蒸着法によるが、電子構造がそろったものだけを分離する精製法研究が工業化への重要関門のようである。 ナノ級サイズでかつ形状が籠状の粉をどのようにして分級(ふるい)にかけるか? 世界中の研究者はまさしくこのテーマでふるいにかけられようとなっている。 案外突飛なアイデアが正解になるかもしれない。

マイクロアクチュエーター

 マイクロマシンのキーはマイクロアクチュエーターにあると言っても過言ではない。それは、動作実現のための機構で、センサーが感知した情報をプロセッサーが処理、動作決定して動くシステムであり、ミクロンサイズ、果てはナノサイズに向かって研究が進められている。 最近の研究発表からいくつかご紹介。

・圧電素子による微小ポンプ動作
・高分子ゲルの電場における屈曲動作(信州大)
・光で伸縮する無機(マイカ)-有機(アゾベンゼン)複合体(科技庁無機材研)
・ポリイミド表面に微細電極を形成して  ジャイロ振動子の形成(理化学研究所)
・導電性フィルムを用いたマイクロバルブ(名古屋大)
・光駆動型シリコンファイやフラム機構の塗付デバイス(アイシンコスモス)
・フッ素レジン系スルフォン酸膜に電極を付した電場応答変型材料(大阪工業技研)

動物の筋肉はマイクロアクチュエーターの集積物であると。 なるほどと、この分野の重要性に納得する。

 

● Report No026 / 01月09

ラピッド・プロトタイプ(RP)

 ラピッド・プロトタイプ(迅速成型法)は基本的には積層造型法で、物体の端から積み上げていく加算的成型方法と言える。加えていく材質の元形状も液体、粒、等いろいろ工夫されている。
・光硬化性液状レジンを紫外光レーザーにて固化
・金属粉末の炭酸ガスレーザーによる焼結
・押し出し熱可塑性樹脂の積み上げ
・インクジェットノズルからの吐出積み上げ
 また、引き算的成型方法として、炭酸ガスレーザー光による、積層シート層の切断方法がある。 これらの技術は、材料/科学/CAD/CAM/精密装置等の融合により成り立っており、その利用範囲は拡大の一途だ。 試作品、少量〜中量成型品の金型への転用から、より微細精密な利用分野へとシフト中である。将来的には異種材料の別個の固化エネルギー源で同時積層による複合モジュールも創出されると予想する。

ロボット

 ロボットが社会的に大きな注目を集めているのも、今まで物の製造に労働条件契約の不必要な機械的手作業のレベルから更に進化し、移動する運動機能(足)、手先の感覚(触覚)を伴った疑似人間的なものへと発展し始めたからだろう。それは細管内のメンテナンスや果実園の摘み取り、火災の中からの救出、深海作業、老人介護、宇宙空間での作業とかぎりなくその利用は拡がる。更にはエンターテイメントロボットのように人の心に働きかけるものまで既に出現している。
機械とプロセスに関わっているPPiは「ロボットの一体成型」も夢想の一つになってくるかもしれない。

・知能チップ/視覚センサー
・アクチュエーター付手足
・触覚付手足
・各モジュールを結ぶ光/電子回路
・エネルギー貯蔵庫

などを型内配列固定成型とし、表層(皮膚)加触成型を新規のデュアル(Dual)/ハイブリッド(Hybrid)成型プロセスが夢想されますね。

● Report No025 / 12月22日

ポリマー構造あれこれ

 一般にプラスチックスの骨格は直線状で(多少ジグザグはありますが)その直線同士を結ぶ橋(ブリッジ)があると堅く、熱にも強くなります。最近合成研究が進み、いろいろな形状が誕生している。
・花火がパッと咲いた様なデンドリマー
・五輪のマークや知恵の輪の様なカナテン
・雷門のオコシの様なロッド型ポリマー
・串刺しリング(串ダンゴ)の様なロタキサンポリマー
こんな情報も、面白くCGなどで教材にすれば理科系に進む生徒さんも増えると思うのですが・・・。 もし、分子の動きや構造が手っ取り早く見える「スーパー顕微鏡」があれば楽しいだろう。

精密重合プロジェクト

 高分子を合成する際に、その主鎖や配列構造を精密に制御すると機能や性能が劇的に変化することを狙っての国研、大学、民間企業のナショナルプロジェクトかつ第一ラウンドが詰めの段階に入ってきている。 テーマとして;
1)精密触媒重合
2)縮合系精密構造制御
3)多次元空間ポリマー
いかにも難しそうな(実際に難しすぎる)ものだが、何が生まれてくるか、せっかちに聞いてみると

1)から・・・
 耐熱性の超高強度繊維が生まれるとのこと。そうなるとカーボンファイバーの存在は脅かされるのか?  親水基を持ったポリプロピレンが出ると、ナイロンや天然繊維はどうなるのか?
2)から・・・
 電子機材向け耐熱ポリマー、高結晶化品、効果収縮ゼロのエポキシ 3)から・・・  ポリフェノール(食品ではない)なるスーパーエンプラ  天然に限りなく近い人工漆  医薬品DDS材としての有機系マイクロチューブ

この種の技術はやはり、人、物、金、時間がかかりますね。

 

● Report No024 / 12月15日

天然ポリマー

 何百度、何百気圧といった厳しい条件下で人工的に作られた高分子ではなく、生物が常温、常圧下で酸素という導き手によって紡がれてきた高分子の方が地球に優しいことは言うまでもない。
・微生物に作らせたセルロース
・カニ、エビの甲殻にあるキチン、キトサン
・絹 ・タンパク質の一種、コラーゲン
・木材中のリグニンを加工してのポリマー
・天然漆
 最近構造材料の分野で、ドイツでは荒地でも生息する亜麻を基材とする自動車用パネルの生産を始めているという。また、米国でも押出技術によって木材繊維85%、ポリプロピレン15%のFRPが家具等への利用が拡がっているとのこと。 これら、リサイクル性に富んだ構造剤の表層スキンとして上述の常温、常圧系ポリマーを用いられれば、眞、善、美に近づくことでしょう。

ラピッド・プロトタイプ(RP)

ラピッド・プロトタイプ(迅速成型法)は基本的には積層造型法で、物体の端から積み上げていく加算的成型方法と言える。加えていく材質の元形状も液体、粒、等いろいろ工夫されている。
・光硬化性液状レジンを紫外光レーザーにて固化
・金属粉末の炭酸ガスレーザーによる焼結 ・押し出し熱可塑性樹脂の積み上げ
・インクジェットノズルからの吐出積み上げ
 また、引き算的成型方法として、炭酸ガスレーザー光による、積層シート層の切断方法がある。 これらの技術は、材料/科学/CAD/CAM/精密装置等の融合により成り立っており、その利用範囲は拡大の一途だ。 試作品、少量〜中量成型品の金型への転用から、より微細精密な利用分野へとシフト中である。将来的には異種材料の別個の固化エネルギー源で同時積層による複合モジュールも創出されると予想する。

 

● Report No023 / 12月08日

CFRP(カーボンファイバー強化プラスチックス)

 CFRPは、石炭ピッチやPANセンイを焼いて作ったCFに高強度レジンを含浸固化させて、航空機の構造部材やゴルフクラブのシャフト等に広く利用されている。その他、近年では、地震対策の一環として、高速道路や橋脚の補強用に貼付けられてもいる。しかし、この作業は、工程が複雑なため、熟練した者があたることが要求されるという欠点がある。現在のところ、手軽に使える材料とプロセス(扱い方)を多方面で研究が進められている。

新?LIGAプロセス

 精密微細金型の形成方法としてドイツで開発されたLIGAプロセスは、新しいUV厚膜レジストの出現(400μ高さ)によって、身近なものになりつつある。 更に開発が進み、電鋳層なしで済むことが出来れば良いのだが… また、常温ならば、有機CVD処理したレジストのみの「型」で充分なはずである。理屈では、サブミクロンレベルでも可能である。

 

● Report No022 / 12月01日

指紋

 明治7年(1884年)、東京築地病院の外科医師の英国人、H・ファールズが大森貝塚で発掘された縄文土器に指紋が残っていることから、指紋というものは個人特有のもので、犯罪捜査に役立つことをNature誌に発表した。その後多くの研究が行われ、スコットランドヤードが金属粉を降りかける方法を採用したと言う。 米国では最近、瞬間接着剤であるシアノアクリレートの湿気反応時の白化現象を利用する方法が採用されそうだが、接着剤の非白化グレードの改良開発によってこれからどうするのかが少し気になる。 指紋にまつわるサスペンス、スリラー、推理小説等は数多い。指紋は物に付く(転写)されるものだが、指紋に物がつくとしたらスリラーです。加触成型は表面層パターンに駆体(物)を後付成型するプロセスだから、さしずめハイテクスリラーの一種と言えるかもしれない。

ゾル−ゲル(SOL-GEL)法

 ゾル−ゲル法は金属の有機/無機化合物を溶液とし、その溶液中で化合物の加水分解、重縮合反応等を進ませて、ゾルをゲルとして固化し、更に加熱して(酸化物)固体を得る方法で、昨今は機能性ハイテク材料を得る重要な手法の一つとなっている。集積回路、磁性膜圧電体、強誘電体、クロミズム、フォトニクス、透過膜、耐久保護膜など、広範囲への利用が期待されている。その中でも、特に有機−無機ハイブリッド系ゾルゲルについて誠意取組中の研究機関を'99〜'00の文献から拾うと次のような機関が見つかった。
日本
 新日鉄先端研、京大光学研究科、工技院物質研有機合成化学所、日本板ガラスマイクロ素子所
ドイツ
 カールスルーエ工科大、ポリマー研究所
米国
 ライダー大、フロリダアトランティック大、ミシシッピ大、オハイオ州立大、ドレクセル大 カナダ  トロント大
中国
 科学アカデミー、上海応用科学研究所
韓国
 先端科学技術研究所
  スーパーハイブリッド、更にはウルトラハイブリッド、その上のウルティメイトを目指してのレースからは、目が離せない。