『
フェロセン 』
辞書によれば[Fe(C5H5)2]なる分子式で金属と有機物の合体もの。面白いのは、C5H5なる5角形の環盆2枚に鉄(Fe)原子がサンドウィッチされており、盆はくるくる廻っているとなると、何か期待させる効能があるかも。鉄の替わりにコバルト、ニッケル、クロム、バナジウム原子のものもあり、メタロセンと総称し、個々に独自の色彩をもつと。若い研究者がある時、ラジカル重合の助触媒として有用ならば、アニオン重合ものにも適用したらどうなるかなと試したところ予想もしなかった現象(効果)が現れた。即ち、瞬間接着剤として知られるシアノアクリレートに光硬化性が付与されたのだ。接着操作時に、はみ出したシアノ液の悪さ加減を光照射で簡単に押さえ込めるのは大きい。有機金属化合物メタロセンは思わぬ技を随所に見せてくれる。ポリオレフィンの重合触媒としての力量はその代表例だろう。妙チキリンな化学構造物は、それなりの不思議な動きをするなら、まだまだ数多くの妙チキリンものを撫でてみたいところ。
『 「マイクロ接着・ガスケッティング」への設問
』
[問題]1ミクロン径の貫通孔が多数(ピッチは5μ)ある部材同士を接合して孔の延長を計り、個々の孔に流体を流したい。
[問題]マイクロ溝(1μ深さ、1μ巾、溝同士ピッチ5μ)がパターン状に形成されている基板に上蓋を装着することによりマイクロチャネル網を形成し、流体を通したい。
いずれの場合も、どのような接合・ガスケット方式が考えられるだろうか。MEMS(Micro
Electro-Mechanical System)やμTAS(Micro Total Analysis System)デバイス類の製造プロセスにおいては、その接合・ガスケッティングは流体制御の特性値を左右するほど重要なポイントである。
さあ、ベター、ベストソリューションを案出してみましょう。
なお、被接合材の材質によってプロセスは変わりましょうか。