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● Report No.324 / 08月25日

『ナノ・コンポジット(一)』

ハイブリッド材料なれど従来のコンポジッドとは異なり、その利用範囲に於いて格段の広さを有し、ポリマー基材といえども金属・セラミック材の領域まで踏み込みつつある新顔の複合材料。それは単なるフィラー配合の結果ではなく、ナノフィラーの3Dモルフォルジーを発現するもの。その結果、強度を損なわず強靭性を/透明性を損なわずバリヤー性を/機械的強度を損なわず耐火性を/機械的強度とバイオ特性の両立を、など「二律両立」を。ポリマーとナノ級粉の組合せのニュースは連日の如くあり、それらは接着剤・フィルム・磁性材・導電材・光学材料・被覆剤・成型材等、あらゆる分野にある程。以下、「接着剤」分野で、ナノ覗きしてみると・・・

  • CNTの高密度アレー集積型フィルム接着剤のピアゾアクチュエータ/支持体間剪断強度は3倍に、その破壊メカニズムも徐々型。(スタンフォード大)
  • シリコーンRTV+10重量%のモンモリロナイトは大幅な凝集力アップ。(上海大)
  • 硝酸化銀(AgNO3)の前駆体を還元剤DAFによって得られた1μ〜100nmのナノワイヤ銀を配合した異方導電性接着剤は初期導電性及び耐衝撃性に優れる。
  • リン酸系アクリルアミド/レドックス触媒/ナノ級フィラーは耐摩耗性・生体親和性・低収縮性に優れた歯科用接着・充填剤が得られる。(独国 IVOLLAR社)

ナノ級フィラーはフィラーと言えども延表面積は膨大なので、少ない添加量(重量)で済むだけに容易と思われるも、その分散方法では“そうは問屋が卸しません”Brute-Forceプロセス法/メルト・インカレーション/メルト法/マスターバッチ法/In-situ重合法など。今後、新規ナノ粉の出現と共に、分散プロセスの開発も広がっていこう、と。

● Report No.323 / 08月18日

『磁性・微粒子(三)―医療』

生体医療での磁気利用は、生体の磁気計測や機能回復・治療への磁気応用や細胞工学への適用など研究が進められ、材料・機器・プロセスに亘って進展大。セルセラピーの実現の為、細胞機能をナノ級で制御し、新治療法などはレポート多々。(下記は手元資料のランダム抽出分)

  • 細胞のセレクト技術として、150nm以下の磁気メモリーを持たないFerrofluid(磁性流体)か磁気ナノ粒子を利用すれば沈降分離することなく、質量当り高いリガンド結合能力あり。(R&D System Inc.)
  • 菌体内に50〜100nmのマグネタイト微粒子か20個程度連結したマグネトソームをを持つものを磁性細菌と言う。よって、地磁気を感知し北半球では北(S極)に向かって泳ぐ性向あり。核がリン脂質に覆われているので、遺伝子治療・ガン治療に有望。(東大先端研)
  • 磁性微粒子を含有するリポソームに局所的外部磁場によって標的部位に移動させるDDS方式。
  • 磁性細菌より抽出した磁気微粒子上を、UV硬化性接着剤を先端に付着させたシリコンプローブで走査すれば、磁場下で配向出来、UV照射により菌の固定が可となる。
  • 加熱によるガン細胞の損傷化(Hyperthermia)、或は死滅(Thermoablation)を磁性ナノ粉を利用することに於いて、一般的には酸化鉄系が用いられてきたが、周波数・出力に問題あり。研究の結果、18nm/410kHzで1kwg-1が得られた。(独国 JENA)

医は当方の専門分野ではないが、材料(金属・高分子)に関係するこの領域は外野席から眺めて面白そうなので、興味本位で、情報の勝手気ままの啄ばみ。更に、米国特許アクセスすると出るわ出るわ・・・。境界領域の時代、これも何れ役立てばと願いながら・・・。

● Report No.322 / 08月08日

『凹凸考』

物品の表面形状がデコボコの事例は数多く、ハイテクの世界では作為的凸凹に独特の機能を発揮させんと工夫の数々。

  • 粒子をパターン状に並べる技法いろいろ:ガスデポジション コーティング、インクジェット、自己組織化、帯電パターン化、マイクロ鋳型。
  • やむを得ず出来てしまった凸凹の表面を平滑化するCMP(化学・機械的研磨)。
  • 陽極酸化による多孔質アルミ面はハニカム状孔アレー状(1mm角に14万個〜10億個の孔)。ゆえにその孔を鋳型とすれば何を詰め込みますか。金属詰めて色出し、他色々。(KAST)
  • ステンレス鋼とて表面の数nmの不動態皮膜を化学処理してCrの多孔質層形成。(大阪大学)
  • LIGAプロセスで得られる電鋳型のマイクロパターンからRTVシリコーンの反転型を得て、その型をスタンプとした光硬化性インクのマイクロコンタクトプリントによるμ-well(井戸)。(ハーバード大)
  • 金属メッキ膜は普通、平滑なるも、高純度金属を用いると凹凸の激しい光沢のない表面となる。
  • EBによる回路パターン精密型をガラスレンズに押しつけ転写して凹凸を付け、光の反射率を1/10に低下。(NEDO/松下電器)
  • 専用の紙にコピーし、特殊現像機にかけると文字部分が凸となる立体コピー方式。熱膨張性マイクロカプセルの応用によるもの。(コニカミノルタ)
  • PSとPAAを組成物とする2μ径以下の微粒子をPS板に付着させ、凹凸を形成すれば、細胞シートの剥離が容易となり、内皮細胞シート等が簡単に。(慶大)
  • 自動車シリンダー内面や工作機械の摺動面に、レーザー光照射と切削を組合わせると、好適の油溜り用微小凹(溝)が形成される。(金沢大)

翼断面が凹凸のトンボはジェーコフスキー翼構造ゆえ、超低速で性能発揮とか。昆虫から学べる凹凸をヒントに、多々アイデアが出ましょう。

● Report No.321 / 08月04日

『熱から電気を』

環境エネルギーを電気にと、太陽光・風力・温度差発電などがある。温度差発電はゼーベック効果を利用したもので、熱源として太陽熱・地熱など、冷媒としては水・外気・氷雪など。地球温暖化防止対策が風雲急を告げている昨今、このゼーベック効果を利用する素子を並べてフレキシート状にし、“熱あるところ熱電あり”を目指しての開発レースは熾烈。

  • 火力発電所・製鉄所などの排熱(600〜800℃)を利用して、水蒸気の電気分解によるH2(燃料電池用)とO2(燃焼助剤)の発生。(九州大)
  • PIフィルムと銅箔の貼り合わせ基板上に熱電変換素子をアレー状に配置し、熱配管に巻き付けて産業排熱を電気に。(長岡科学技術大)
  • Si基板上にコバルト酸カルシウムの薄膜を成長せしめた熱電変換素子でCPUの冷却、レーザーの温度制御、ケミカル・バイオチップへの組み込みに。(DOE)
  • 300〜800℃域で劣化しない新規性セラミック系熱電モジュール。(AIST)
  • ペースト印刷による熱電素子アレーの製作。(神奈川工科大)
  • 50μPIフィルム上に、RFスパッターによるBi-Te系化合物半導体膜形成による100℃以下の低温熱の再利用を可とする熱発電。(AIST)

将来、深山幽谷に住居する仙人は、風・小川のせせらぎ・太陽のエネルギー変換ミニ装置を保有し、あらゆる家電を動かし、常に温度一定の保温ウェアをまとい、一朝事あれば光触媒より得たる水素ガスで作動するポータブルヘリコプターで下界へと。“雨ニモマケズ風ニモマケズ”ならぬ風雨を友として安楽な山中生活を・・・。これでは修行になりませんね。

 

● Report No.320 / 07月24日

『マルチ吐出口』

かつて液体の吐出に関わる分野の技術で、自走型多孔フラットホースの開発や反応性液状レジン(接着・シール・注型など)の定量吐出ロボット装置に関わったことより、効率的なマルチ吐出口型の利用・応用ニュースは気になるところ。手元メモから羅列。

  1. 電機分野
    • スイッチリードへのクリーム半田の多数箇所同時塗付
    • LEDアレーへのエポキシ封止剤の同時注型
    • パレット上でのマルチワークへの同時塗付
  2. インクジェット
    • 基板回路製造に於ける導電・絶縁・抵抗剤などのIJ複合塗付により、従来のスクリーン印刷・リソグラフィーに代わる精密描画プロセス(AIST)
  3. CFRP
    • プリフォームCFマットを金型に納め、マルチノズルよりエポキシレジンの注入(RTM)による高品質CFRPの自動車ボディーパネル高速成型方法(東レ/NEDO)
  4. 注射針
    • 針先端は直径1μの尖った円錐状の突起アレー(剣山状 長さ0.05〜1.00mm)で針の外側に付着の薬剤が皮膚に浸透する仕組みのマイクロパイルシート(日本ナノデス社、ジョージア工科大)
  5. 地球温暖化の現況たるCO2を液化し、船から吊り下げたパイプで1,500〜2,500mの海中に放出すれば、液滴は水和物(ハイドレート)を形成。効率的放出の為のマルチノズルを研究中。(RITE:地球環境産業技術研究機構)
  6. 地盤強化
    • 地震による地表面の隆起・液状化を防ぐ為の薬剤注入に於いて、大量のノズルを地中に押入してゆっくり浸透させる工法なれど、工期は短縮される。

この種のアイデアは公園の噴水・家庭のシャワーの飛沫を眺めながら出たのかも・・・。

 

● Report No.319 / 07月20日

『磁性微粒子(二)』

  • 鉄ガーネットビスマス置換イットリューム(Bi-YIG)の微粒子(φ20〜40nm)を含むPMMA系光ファイバーは磁気光学効果(磁界に比例して透過光の偏光面が回転する現象)は、低コスト化が実現すれば脚光浴びよう。(東工大)
  • アモルファスSiO2の中に水酸化ニッケル(2〜3nm)の単層クラスターが存在すると二次元の強磁性体に。又、γ・Fe2O3(5〜6nm)の場合は保磁力と残留磁化では特異性が発現された。
  • 100℃以下の水溶液中のポリマー粒子へフェライトメッキによる磁性膜の形成が可能となり、医療分析用の複合粒子が得られた。(東工大 日ペ)
  • γ・Fe2O3(60nm)の表面に固定化開始剤(CTS)を導入し、原子移動ラジカル重合法によって、鎖長の操られたグラフト重合の磁性精密ポリマー粒子が得られた。(京都大)
  • パラジウム(Pd)はバルクでは磁気秩序を持たないが、微粒子(60Å以下)になると強磁性を発生。(慶応大)

新世紀に入ると磁性材はサブ・ミクロン〜ナノ級になって新規の特性が一気に開き、洪水の如き情報量。バイオ・医療ではと・・・(三)へ。

 

● Report No.318 / 07月13日

『磁性微粒子(一)』

昭和40年代、NASAアポロ計画での宇宙服の首部位の回転摺動シールは「磁性微粒子を界面活性剤を用いて安定的に分散させた液体でありながら、磁力線下ではスパイク現象というトゲトゲ塊を形成する」現象を利用したもの。従って応用範囲としてポンプ・バルヴなど広いことから日本でも事業会社が発足。

そんなことに刺激されたのか、昭和50年代に入り、シールではなく成型に、接着剤に利用できるのでは、と自己テーマにしたことがあった。反応性液状レジンを分散媒体とする磁場下硬化性組成物。これとは別に電磁場下の発熱を利用する接着剤(材)システムなど。前者は磁場下にて配向せしめた微粒子含有組成物にRadiationして分散媒の即硬化固定による配向膜の形成など、後者はγ・Fe2O3微粉をポリアミドに混合分散し、フィルム状に押し出し、接着剤としてポリオレフィン類の接合に3-8MeHzの領域で瞬時に高温発熱―溶融―固化が得られるもの。それからしばらく磁性材から離れていたが、偶々下記情報により興味の目が覚めた次第。

「サブミクロン級の粒子・分子集合体は本質的に磁場配向する。大きな磁場勾配になると磁気力は重力より大きくなり、水滴も磁気浮上する。ガスとても同じ。この様な磁気アルキメデス効果を利用してMnCl2溶液中で、重合性モノマー液滴を浮揚せしめ重合させれば真球状のポリマー球が得られ、最大10mm径まで実験されている」(2003 都立大)

以下(二)(三)は2000〜2003頃の文献俯瞰していくつか抽出羅列。

 

● Report No.317 / 07月10日

『今、LED(発光ダイオード)は明るい』

トヨタ・レクサス車のヘッドライトにLEDが搭載され、蛍光灯・電球に代わって照明の分野でも本格的に普及しだした。環境に優しい材料(省エネ・高光量・非有害物質構成・長寿命)なればこそ。一昔前(?)の青色LED開発物語を思い出すに付け、いよいよ大市場の照明分野かと。

照明なれば自然白光。その光を求めての開発レース。三原色組合わせるも小型化に難。青と黄の組合わせは色でもコスト的にも不満足。そこで紫外LEDに3種の蛍光体を組合せが有望と。一方青色LEDの積層構造による工夫も出現・・・。電子素子と異なり発光素子は光の透過性の要素から封止剤も独特の材料が求められ、シリコーン系が良しとされていたが、兄貴分のエポキシ系が変性技術で巻返し、戦線は個々のチップの封止のみならず、ウエハーレベルの新規性封止剤(液状・中温・速硬化型)と拡大。更にはモジュールに至り、プリンターヘッド・バックライト照明機器(TV・ケイタイ・ノートPCなど)と。

LED1個当たり数百lmに成り、2015年頃迄には10〜20円/個に達するようになると家庭用照明は脱電球型に。それは粒状〜板(ボード)状型。デザイン屋さんは今頃脳内イメージを変換してのスケッチ大作戦中。ところが、何にでも伏兵は出現するもの。EL(エレクトロ・ルミネッセンス)方式、特に有機EL。殊に低分子型有機ELとなると生産がロールtoロールが可能なので薄さとコストで有利か。輝度・寿命などの改良開発が進めば、脚光はELへとなるか。やがては棲分けて収斂するのか…。いやいや第4の発光方式が舞台に上がってくるかも。その種はチカチカと瞬き、やがては目映い光に…。

 

● Report No.316 / 06月30日

『高密着性表面を求めて』

大型の鉄製タンクなどにレジンライニング等施工する際、下処理としてグリットブラスト(鋭角片をもつ鉄粉の高圧吹付け)で表面を荒らす方式であるが、軽薄短小のデバイス・モジュール類の接合・被覆の場合は、精密性・清浄性・オンライン性等が求められ、一見、補助的プロセス乍ら、特性値に直接影響を与えるものと認識要有。

  • 表面粗化(例)
    • ポリイミドフィルム/銅箔、貼合用にアルミナスラリーによるウェットブラスト
    • 銅箔の酸化・還元処理による密集ヒゲ生成(0.02μ級)
    • 陽極酸化によるアルミ表面にアルミナ・ナノホールの形成
  • カップリング剤による
    • 表面層のカップリング剤処理層の形成(シラン、チオール等)
    • 被着体に予めカップリング剤を配合しておく
  • 光照射による
    • UVによる改質いろいろ。短波長UV―エンプラ UVオゾン―エンプラ・金属
    • プラズマ処理 ―表面の親水化に特徴
    • 大気圧グロー放電プラズマ ―HeガスにN2O2など添加すれば生成アミノ基が蒸着銅とキレート結合
  • エキシマ発光ランプ照射
     ―洗浄・硬化・親水化効果を
  • オゾン(O3

これらのあの手この手は、あたかも意中の人の気持ちを如何にこちらに向かせるかに似ており、雰囲気で、光で、軽く触れて・・・、と。下手をすると表面変質による心変わりにも要注意。別項“表面活性化による接合”に絡めて眺めていただければ幸甚。

 

● Report No.315 / 06月23日

『表面活性化による接合』

半導体素子・モジュールの部材接合には、有機系の高分子接着剤では熱的に耐えられない。シリコン・金属・金属酸化物などがより低温で、或は局所加熱だけで、接着剤も必要としないで、出来得れば常温(非加熱)で、との技術方式は、高分子系接着技術者から見れば興味がそそられる。本来、材料の表面層を裸かつ平坦化すれば、常温・無加圧でもくっついてしまうものとか。裸とは、表面吸着ガスの除去など。その上で・・・

  • 金属とFRPの接合では、レーザー照射の750℃界面温度上昇による金属酸化膜とポリマーの分子結合。
  • シリコン/ガラスを合わせて加熱しながら数百Vの電圧を加えると静電引力によって共有結合を生ずる陽極接合
  • 低融点ガラスを接着剤として常温下の接合が可能となり、膨張・収縮によるトラブルが防げる接合方法
  • 接合面を極めて平坦化し、加熱(IH・レーザー・プラズマ・イオンビームなど)すれば原子間力によって直接接合が可能となる
  • 石英にポリイミドもYAGレーザー照射によって接合が可能と

これらは何れも寸法的には小さく部材同士の接合が主であるが、やがてはモジュール同士へと。更にはより大型の機械部品への展開も望まれよう。夢かもと思われるのが造船・橋梁・プラントなどの大型構造物。いや、この分野は磨耗撹拌接合(FSW)が先行している様ですが・・・。いや、宇宙ステーションの建造には表面活性化接合が有利よ。いえいえ、そこはまだボルト/ナットの方が優れているよ・・・。いやいや、究極の接合例は、種を作らない染井吉野桜の接木による苗作り。接着剤無し・常温屋外で、単に接合するのみならず、組織生長までする。

聞いたことがあります。人体組織の切開部は直後ならばすぐ接着一体化する、とか。

 

● Report No.314 / 06月16日

『人工筋肉(三)―小さい奴ほど力持ち』

No.250、No.295に続いて、筋肉を撫でてみました。

カルガモの子の巣立ちは地上10m程の高さにある大樹の洞からの大ジャンプ、幸い下には堆積落葉クッション。人間幼児とて、同じ炭素・酸素・窒素・リン原子からなる生物細胞持っていながらもジャンプしたら惨劇に。羽を広げて空気抵抗の要素を差引いても結果は同じ。筋肉だけ見ても体長の倍数の2乗、体重倍数の3乗に比例し、断面積当たりの力発生力が同一なれば、単位筋肉量の支えられる重量はカルガモの子は人間幼児に比べて遥かに大きいことに。

斯様に寸法による効果性に着目するとミニサイズ筋肉の単位パワー発生効率は極めて良いものと言えよう。とは言っても機械式モーターシステムのパワー発生装置を縮小しても同様の効果は望めない。そうなると科学者たちは生物筋肉の構造に着目。かつ、ハイテク材料を駆使して機能と知能を発現する装置―駆動素子を創り始めた。生物化学的エネルギーの機械的エネルギーへの直接変換を金属・セラミック・高分子材料で得んとする試みは当然の流れ。殊に種類と加工性で融通性に富む高分子系は花形。

上述の小さなもの程効率的なれば、集積すれば大パワーも。さすれば、バンデージ(ハップ)型筋力増強シートを使ったらIOC(国際オリンピック委員会)は貼付禁止令を設ける様になるのか。フレーク状人工筋肉の体内埋設技術が出現すれば、ドーピング検査とは別に、X線検査(電極が撮像できる)も併せられるかも・・・。

IOCは困っても、老人・事故救急隊・もの作り作業員・歩行者など、市場利用性は限りなく大きい。

 

● Report No313 / 06月09日


有機CVD(その5)

ポリパラキシレン(PPX)の利用開発動向(抜粋)

4)ポンプ・バルブ・ダイアフラム・ベローズなど

  • PPX膜同士の熱接着 - Siウェハーからの離型に工夫あり、電極組み込み型スパイラルチャネルの形成(GIT)
  • 静電型流量コントロール・バルブシートはSi、Al材を犠牲層にして、PPXと内封Au電極のみから成る1ミリ角バルブ(Caltech)
  • PET・紙などをコア材犠牲層として得られるフレキシブル型マイクロ流量制御アクチュエータ
  • 駆動部無しの大面積集積型固体状マイクロポンプ(バルブ)を電極付きPPXチャネルによって構成したFlowFET(DARPA)
  • PPXの薄層と厚層の間に発熱用Pt電極を埋め込み、熱膨張係数の差を利用する熱バックル型ダイアフラム(台湾大)
  • 直径2ミリのSuSチューブに組み込んだ直径1.5ミリの(PPX/Cr/PPX)構成の光センサーとしての屈折性表面を有する、光ファイバー付人体内検査圧力センサー用コルゲート型ダイアフラム

5)諸

  • PPXを中間膜とするウェーハのボンディング(ミシガン州大)
  • PPX膜にAu蒸着には酸素・アルゴンガスによるIAR(Ion-Assisted-Reaction)処理(SumSung)
  • プラズマ雰囲気でのPPXとSilane・Siloxane誘導体との共重合物の誘電率は2.2 - 2.5のLow-K材。(GIT)
 

● Report No312 / 06月02日


有機CVD(その4)

ポリパラキシリレン(PPX)の利用開発動向(抜粋)

1)有機EL

  • 低分子発光組成物はアルカリ金属系が故に、ダークスポットの発生や輝度の劣化を防ぐため、防湿性・透光性に富む薄膜が必要。
  • 基板のインクジェット普通紙にPPXコートをしてのち、金属Ni層を形成し、トップエミッション型有機EL素子(TEOLED)を形成して得られる電子ペーパー。

2)インクジェットヘッド

  • 微細3D構造の電極のコンフォーマルコートにはカップリング剤にトリアジンチオール誘導体。

3)圧力センサー

  • マイクロAl配線のシールコートにPPX(エンジン用センサー)
  • センシング部分のみ露出させた高感度センサー
  • 光ファイバー連結センサー用波型ダイアフラム(GIT)
  • 有機トランジスターマトリックス内蔵型フレキシブル大面積の圧力・熱センサー(東大)
  • 導電性シリコーン十字型空中ビームセンサーへの1.5μ厚PPXバリアー膜(加州大)