トップページで毎週お届けしております 【NEEDS と SEEDS をつなぐ】 は新しいレポートが掲載された後、こちらでバックナンバーとしてご覧いただけます。


   

2000年夏 / 6月〜 8月

2000年秋 / 9月〜11月

2000年冬 /12月〜 2月

2001年春 / 3月〜 5月

2001年夏 / 6月〜 8月

2001年秋 / 9月〜11月

2001年冬 /12月〜 2月

2002年春 / 3月〜 5月

2002年夏 / 6月〜 8月

2002年秋 / 9月〜11月

2002年冬 /12月〜 2月

2003年春 / 3月〜 5月

2003年夏 / 6月〜 8月

2003年秋 / 9月〜11月

2003年冬 /12月〜 2月

2004年春 / 3月〜 5月

2004年夏 / 6月〜 8月

2004年秋 / 9月〜11月

2004年冬 /12月〜 2月

2005年春 / 3月〜 5月

2005年夏 / 6月〜 8月

2005年秋 / 9月〜11月

2005年冬 /12月〜 2月

2006年春 / 3月〜 5月

2006年夏 / 6月〜 8月

2006年秋 / 9月〜11月

2006年冬 / 12月〜2月

2007年春 / 3月〜 5月

2007年夏 / 6月〜 8月

2007年秋 / 9月〜11月

2007年冬 / 12月〜2月

2008年春 / 3月〜 5月

2008年夏 / 6月〜 8月


● Report No.336 / 11月23日

『新多孔質材料(二)』

 鉱物質

  • ナノサイズの螺旋状細孔をもつシリカはキラルな性質を有し、一方の異性体を優先的に吸着する特性あり。孔φ2.2nm×長さ6μの規則的配列。(東工大・資源研)
  • シリカアルミネート系粘土をエッチング効果的酸処理と焼成により、湿気・臭気の吸着能発現。孔径が1〜10nm故に水分の抑え込みに好適。(住友大阪セメント)
  • 脱アルミ合成ゼオライトと金属酸化物前駆体を混合焼成した複合体はナノ級の孔を形成し、固体酸触媒キャリア、吸着剤に好適。(北九州市立大)

 包接化合物(分子鎖によるカゴ形収納機構)

  • シクロデキストリンは、グルコースが6〜8個環状結合した構造で、空孔内部に疎水性分子を抱え込む(包接)特性を持つ。孔径は0.45〜0.95nm。水や酸素と反応し易い物質の保護に便利。
  • 環状包接錯体について多角的研究(環状チッソ化合物)。(東工大)
  • 一時的高分子錯体による動的多孔質結晶のガス吸着時の包接径の膨張と放出時の径収縮はガスの分離濃縮の他、用途多々。(横浜市立大)

 ポリマー系

  • ブロックコポリマーの相分離特性を利用してPETフィルム上に数nm径の垂直シリンダー薄膜層の大面積形成に成功。これをテンプレートとして先端的超微粒子の配列パターニングやシリンダー間隙に分子・イオンの通り道とすれば、ナノ級の導電ワイヤー、果ては異方導電フィルムも可と。更には、DNA・蛋白質の分離精製するナノフィルターも。(東工大・資源研)

原子も空間率が99%以上となれば、何か詰めたくなるもの。エネルギー充満する場なれば不可。でも、ブラックホールは原子核のギュー詰め品。隙間を利用しない手はないと、あらゆる分野で工夫を凝らせば・・・と。家庭の整理整頓の達人の知恵を借りてみれば・・・と。

● Report No.335 / 11月16日

『新多孔質材料(一)』

先に2回に亘って多孔質に触れた(レポート220、236)程、興味そそられる材料孔は洞窟、アリババと40人の盗賊が隠したのが金銀宝石。若し洞窟がミクロン-ナノ級の寸法なら、どんなものの孔だろう。その径が、大はμ、中はnano、小はÅ(オングストローム=0.1nanoは原子の半径クラス)、極小はpico級。アリババらの唱える呪文“ひらけゴマ、閉じよゴマ”で宝物の出し入れ。今時の宝物として、金属化合物・セラミック化合物・炭素材・医薬剤・酵素や菌類などが代表格。それらを抱え込む多孔質材料を俯瞰(氷山の一角でしょうが)してみた。

カーボン系

  • ポリイミド多孔質化技術を経て、焼成して得られた電導性多層炭素膜はFCの電極に。(宇部興産)
  • カーボンナノチューブ :単層品(SWNT)はφ1.3nanoはCVDプロセスで、二層品はレーザー蒸着、多層品は水素ガス中のアーク放電で得られる。ゼオライト孔に入り込む場合もある一方、自らのカゴ構造の中に金属原子を包摂することもある。(名古屋大)
  • 活性炭:孔径がマイクロ孔(20Å以下)、メソ孔(20〜500Å)、マクロ孔(500Å以上)で、家庭用消臭剤ヤシ殻品でも5〜15Åで吸着作用。

アルミニューム

アルミニュームを陽極とした電気分解で人工的に表面に形成される酸化皮膜は多孔性で膜面に対して垂直に配向した微小な細孔を持っている。神奈川科学アカデミー(KAST)に注目すると・・・

  • 真空蒸着により物質を充填して磁気記録媒体や光学材料へ
  • 陽極酸化工程前にアルミの表面を予め鋳型によってプレス凹部を与えておけば、規則的配列孔アレー(25nano径)が得られる。
  • 孔に金属・金属塩・モノマー・ポリマー等充填し、底面躯体を除いてしまえば異方性複合材料が出現。

● Report No.334 / 11月09日

『印刷で創るFPD(2)』

基板・シートにパターン形成する技法にスクリーン・グラビア・インクジェット・ナノインプリント・ディップペンなどがあるが、最近注目のマイクロコンタクトプリント(μCP)を眺めてみた。原理的には、1992年頃ハーバード大学Dr.Whitesideの創案によるもので広く関心が持たれていたが、フレキシブルFPDの立ち上がりと共に更なる発展が見られ、FPD以外の分野に於いても積極的取組みが為されている状況。それらは、センサー・マイクロアクチュエータ・バイオチップ・ケミカルチップ等々、広域に亘っての利用可能性。当然の事ながら、版・インク材での技術も続出し、一方印刷機も最適化目指しての開発が。

  • μCPと静電気力を利用して新規のパターンドメディアの作成方法(東芝)
  • μCPを利用した三次元多層構造の作成(ルーセントテクノロジー)
  • PDMS版の表面を酵素プラズマ処理し、ポリエチレンオキシド化で、インクなじみ性はパラジウムインクパターンによる銅の拱択的無電解メッキパターン
  • 液晶のSAMパターン
  • 金属ナノインク・セラミックナノインク・カーボンナノインク等のμCPによるTFT形成など。

数多くのパターニング・プロセス技術の中、線幅がミクロン級を容易に得られるのは、このμCPが、投資額・量産性・コスト・技術融通性等から見て最右翼か。Dr.Whitesideは当初から5種のCPの利用方法を提示。その実践的頭脳には敬服。

μCP - PDMS版の凸部にインクを付着させてスタンプ
 REM - 注型用型としてレプリカモールド
 μTM - レジンを凹部に充填し、被せて転写するマイクロ・トランスファーモールド
 MIMIC - 毛管現象を利用して凹部にレジンを注入するパターン形成
 SAMIN - ソルベントWETスタンプによる薄膜層の溶解除去

さぁ、版(版の原型は外注容易)と各種インク剤があれば、我社もマイクロモジュールのメーカーだ。

● Report No.333 / 11月02日

『バイオ燃料(一)』

植物由来の燃料ならば、地球温暖化の元凶たる発生CO2は元々大気中のCO2であったもの故、プラス計算量とならないので良しとする、なる論法で、砂糖・コーンなどがアルコール化される結果、商品市況が高騰している始末。

それは世界規模での食料欠乏状態を招き、食料輸入大国日本の安全にも関わる問題。折角、食品の形に日光合成された物質を食品以外で利用するのは人々の勝手な行為と感じられる。食品の形態に成っていないバイオマス資源を原料とする燃料化技術の開発が進められるべき、と。勿論、短期に成功するのは難しいことと思われるも、国家戦略として必須課題とし、非食品部位の植物組織の、ガス化・水素化等による燃料化・飼料化等のステップを経て食品化開発を、と考えたいところ。

殊に日本は戦後の植林による森林間伐採量が膨大に存在するも、未利用状態であるだけに、効率的な収集システムの整備が求められていることにも注力の要有り。間伐材はセルロースと分解が厄介なリグニンが主組成なれば、その分離もキー技術となるだろう。

7月中旬、横浜パシフィコで開催されたバイオヒューエルズワールド展では、行政・石油・自動車・研究機関などの業界が集合してのオールジャパンのナショプロ規模で当ろうとの決意は心強いもの。

終戦直後に見た木炭(間伐材の裁断片で炭ではない)バスやトラックは車輌後部にガス化装置を背負っての格好はレトロの1つ、エンジン始動までの朝の準備作業の大変さは言うまでもない。固体燃料たる所以でした。

● Report No.332 / 10月27日

『バイオ燃料(一)』

植物由来の燃料ならば、地球温暖化の元凶たる発生CO2は元々大気中のCO2であったもの故、プラス計算量とならないので良しとする、なる論法で、砂糖・コーンなどがアルコール化される結果、商品市況が高騰している始末。

それは世界規模での食料欠乏状態を招き、食料輸入大国日本の安全にも関わる問題。折角、食品の形に日光合成された物質を食品以外で利用するのは人々の勝手な行為と感じられる。食品の形態に成っていないバイオマス資源を原料とする燃料化技術の開発が進められるべき、と。勿論、短期に成功するのは難しいことと思われるも、国家戦略として必須課題とし、非食品部位の植物組織の、ガス化・水素化等による燃料化・飼料化等のステップを経て食品化開発を、と考えたいところ。

殊に日本は戦後の植林による森林間伐採量が膨大に存在するも、未利用状態であるだけに、効率的な収集システムの整備が求められていることにも注力の要有り。間伐材はセルロースと分解が厄介なリグニンが主組成なれば、その分離もキー技術となるだろう。

7月中旬、横浜パシフィコで開催されたバイオヒューエルズワールド展では、行政・石油・自動車・研究機関などの業界が集合してのオールジャパンのナショプロ規模で当ろうとの決意は心強いもの。

終戦直後に見た木炭(間伐材の裁断片で炭ではない)バスやトラックは車輌後部にガス化装置を背負っての格好はレトロの1つ、エンジン始動までの朝の準備作業の大変さは言うまでもない。固体燃料たる所以でした。

● Report No.331 / 10月20日

『クレーン(二) ―マニピュレータ』

物の移動・搬送に於けるロボット・マニピュレータはどうあるべきかを考えると、人間の腕・手・指を想定すれば判り易い。利用目的(医療・福祉・介護・ものづくり・玩具)と動作(位置と経路)をセンシング(画像・音声認識)、更には学習知能など。腕の動作はジブ型・テレスコープ型(スライド・回転・旋回・ヘビ型)・多関節型といろいろ。手指に相当する把持機構も多種多様に開発され、センサーも接触・滑り・力・トルク・位置・回転角型と花盛り。人に優しく安全面では過負荷の場合は、停電時は、誤作動発生時には、常にフェールセーフがプログラム・イン、それも二重に。何と言っても腕の自在さの為の技術が求められ、いくつか羅列すると、

  • 先端部位にカメラ・照明灯等を把持する伸縮ブーム型軽量ポールをベースとしたIT化アーム
  • 現在建設進行中の国際宇宙ステーション・日本モジュール(JEM)に搭載される10mフレキシブルアームは無反動マニピュレーション能力が先端10mmと。
  • スライドレール機構のアームを装備して室内高所に物品の持ち上げする方式。(AIST)
  • ステンレス製テープを3枚組合わせて、収納レールより巻き出せば、20cmの腕が7mに伸びる、所謂、如意棒型。(大阪大)
  • 血管内に挿入するカテーテルもスーパーマニピュレーターの一種

映画『宇宙戦争』での異星人の索敵用アームは先端に各種センサーを装備したヘビ型空中3D変態可能。これは搬送ロボットとしての用途は多岐多様に期待。やがては人を掴んで移動にも。

● Report No.330 / 10月13日

『印刷で創るFPD』(関連する既報項抽出)

LCD・有機ELなどのFPDをより薄く・軽く、更にはフレキシブルにとの狙いの開発レースは熾烈。大市場が期待できるだけに量産性に富む方式が求められる。当然のこと乍ら、基材をフィルムとするロールtoロールを基本とし、精密印刷による素子形成の方式が注目の的。その精密さはμ→sub μ→nano級の狙い。従来のレジストを利用するフォトリソはエッチング・洗浄・高熱アニーリング等に縛られるので、ロールtoロールには適さない。

  • (2004秋 No.205 ロールtoロール)
  • (2005春 No.223 FPD開発推進アクセル(一))
  • (2005春 No.224 FPD開発推進アクセル(二))
  • (2004春 No.188 最近の面白薄っぺら2題)

印刷の方式としては、インク剤を非接触で基材に吹付けオンするインクジェット方式とインク剤をゴムスタンプで転写するマイクロコンタクトプリント(μCP)方式。

  • (2001秋 No.070 μCPとInk-Jet)
  • (2002春 No.092 インクジェット方式の利用)
  • (2006春 No.267 インクジェット方式はいま?)

マイクロコンタクトプリント(μCP)は最近、急速に見直されてのプロジェクト開発が展開されている。

  • (2000夏 No.009 自己組織化膜(SAM))
  • (2000夏 No.009 マイクロパターン寸考)
  • (2000秋 No.010 サブミクロン級の形状転写)
  • (2003秋 No.159 自己組織化(2))

インク剤を眺めると。

  • (2003夏 No.154 導電性ポリマーをインクに)
  • (2005秋 No.248 導電性粉粒のいくつか)
  • (2005秋 No.254 ナノ粉を配合すれば)

次項「印刷で創るFPD(二)」ではμCPについての情報を少々。

● Report No.329 / 10月06日

『人間発電』

別項では「熱から電気を」に触れました。本項では人間の筋肉運動エネルギーを電気に変換する人体発電機に触れてみます。

人体の動き―握る動作による手動発電・ラジオ・懐中灯や、足踏みによる自転車灯、改札口での踏板発電板等は既に実用化。新しくはDE型ポリマーアクチュエーターによる靴踵部発電(SRI)など、W級の電力も期待出来そう。

一方、ユビキタス社会の中のウェアラブル型端末機の電源問題に対応せんと、NEDOプロジェクト「極低電力情報端末用LSIの研究開発」では、完全空乏型SOI/マルチ閾値型CMOSの組合せによって、0.5〜1.0Vで動作可能とし、その結果体温程度(0.3〜0.4W)で微弱無線送信が出来ることに。

人間のエネルギーを電気にするプロセスでは、@運動エネルギーの直接的電気エネルギーへの転換、A運動→機械エネルギー→電気、B運動→熱→機械→電気、の3つのパターンが考えられ、各々のプロセス毎にスマートなモジュールの開発が求められている。

人間の運動エネルギーの放散については“もったいない運動”の対象範囲に入っていないものの、将来的にはテーマになるかもと予感。例えば、寝具の敷布・毛布は、就寝中の人間体温→電気変換能に加えて、蓄電能を有するもの。カーペット上の歩行による発電、朝の体操ウェアも発電布、と言った具合に至るところユビキタス用電源装置。万歩計ならぬ今日の発電量がメタボの指標となるか。一石X鳥?

● Report No.328 / 09月28日

『加熱方式のいろいろに触れて』

30〜40年以前に、エンジニアリング用接着・シール剤(材)に関わっていた頃、加熱の必要に迫られて、素人的苦労の数々。当時は未だスマートな加熱機器が無かっただけにイロハ的勉強にもなった。

  • 未サイズクラフト紙にラテックス含浸シートの均質乾燥に遠赤外ランプをライン導入するも、やや不満足。ラボ的にはマイクロ波良しとなるも高価過ぎて断念。
  • エポキシペーストの脱泡の為の与熱による粘度低下に基因するフィラーの沈降に難渋。
  • 自己発熱反応性を有するエポキシオリゴマーの僅かなオーバーヒートによる火災で棟全焼。
  • IC封止用エポキシタブレットの脱気と表層スキン形成の為の均質過熱に試行錯誤。
  • マイクロカプセルのウェットケーキ乾燥の基礎実験で、15℃乾燥空気を吹き込むと、空気流路が氷のトンネルになっていたのには驚き。蒸発潜熱のなせる現象。
  • 鉄粉配合の組成物を誘導電磁場で瞬間加熱は、〔マーガリン+鉄粉〕でナイロンの接着が容易、なんてパフォーマンスを。

最近では、電磁波を利用しての方式が種々開発されてより便利に。太陽での布団乾燥、備長炭での鰻の蒲焼、などは電磁波のおかげ。金属類の加工に多用されている誘導加熱(IH)はIHクッキングで身近に。食品・ポリマー類の利用されている。誘電加熱は電子レンジのマイクロ波加熱などでも身近に。上述の遠赤外・赤外線もランプヒーターもみんな電磁波。今後、これは凄いと見えるものをピックアップすれば、

  • 国際熱核融合炉(ITER)の電子サイクロトロン(EC)波加熱
  • 熱の移動に相変換剤(PCM)スラリーシステム
  • 光熱変換剤による太陽光線の効率的利用

それにしても自販機のHot-Coolの仕組みはスマートですね。

● Report No.327 / 09月22日

『シール(Seal)屋』

別項で、SealedShieldの勘違いによって、瓢箪から駒的に地下鉄シールド工事の受注が出来た話に触れました。昭和30年代シール剤ベンチャーに関わったゆえのシールニーズの追っかけ屋。広義の定義で「内空間Aから外空間Bに物質の移動を止めること、若しくはその逆のことを指す」とすれば、事例多々。

  • 都市ガスホルダーのリベット溶接部の腐蝕によるガスの噴出はパテ材の充填による一時シール後、速硬性のエポキシプリプレグによるパッチ当て。ドンピシャリ。
  • 地下コンクリート槽の亀裂部より地下水の浸入。各社不成功のあと受けて、コンクリート斫り(はつり)―レジン盛付け―最後に埋込ガスコックの弁シャットすればドンピシャリ。
  • 新開発の2リットルエンジンのヘッドガスケット部よりガス洩れ発生、組立ラインストップ。偶々手持ちの勝手試作品を持ち込みテスト。ドンピシャリ。
  • 新幹線の電気コネクター(車輌連結器の下に設けられた98本差込ピン型)のアルミケーシングの巣より雨水侵入トラブル発生。55編成の16両(15コネクター)を40分単位でシールライニング措置にて運行順調に。
  • 鉄道転轍機の融雪ヒーターのコネクター部の完全シールに新規開発のゴムエポキシでドンピシャリ。
  • 鉄道ATS(自動列車停止装置)のケーブルの固定シールに特殊エポキシ注型剤で安全化に貢献。
  • 火力発電所復水器の管板面と熱交チューブの防食シールにレジンカバーコート工法。電力の安定に貢献。

代は移り、IT時代に入り、FPD(LCD、ELなど)のシール、IC・LSIのパッケージング、電池(リチウム電池、燃料電池)のシール、果ては先端センサー・ケミカル/バイオチップ等にまで、依然としてシールニーズは旺盛。市場ニーズもより高度化に。対応技術に“洩れ”が生じないように。

● Report No.326 / 09月08日

『搬送 - クレーン(一)』

省エネ時代、省力化省人化着手の先頭には物流の効率化がある。それは構外での搬送(トラック・船舶・航空貨物など)と所謂構内の横持ち搬送で、後者には用途に沿った種々のマテハン装置が使われている。港でコンテナの積み降ろしするガントリークレーン、クレーン搭載トラック、ビル建設現場での大小クレーン。機械機器組立用ベルトコンベヤーや回転すし用ベルトなども。最近では工場内で部品等の供給に無人で動き回る配膳ロボット車。

IT時代、当然のことながら、個々の装置はコンピュータ化されて省人化省力化に資している。クレーンについて眺めると、腕(アーム)に沿って荷物を吊り下げたフックがトロリーで移動するタイプのジブクレーン。望遠鏡の如く伸縮ブームを持つトラッククレーン。工場建屋の天井空間に設ける走行クレーンや天井の固定レールによるモノレール型吊下カーゴ。レストラン・食堂等に於ける配膳用無人ワゴンシステムは床埋め込みのガイドケーブルや磁気テープ貼付け方式による移動。更には二足歩行や車輪駆動方式による人型の運搬ロボット等々、と物品の種類・形状・重量、移動距離と要求所要時間、屋外か屋内か等々で千差万別のニーズに対応せんとクレーンの数々。

これらは何れもその荷重が100kg、1〜100tという物品対象で、グラム単位〜10kg程度の荷重ものについての搬送方式について更に詮索せんと、本項(一)は初級的学習でしたが(二)ではマニピュレータのアームを中心に、アーム(腕)に振り回されない様、ブーム(腕)を動かして動向の一端を察知していたいもの・・・、と。

● Report No.325 / 09月01日

『ナノ・コンポジット(二)』

摘み食い歩きしてみました。

  • 別項の『磁性微粒子(一)』で触れたγ・Fe203の誘導電磁場発熱と異なり、ナノフェライト(SPIO)にメタルイオンドーピングをしてポリマーと混合したマイクロ波硬化型接着剤は140〜200℃に於いて安定。(独国 SUSTech社)
  • ガラススフィアにNi被覆(50〜250nm厚)したフィラー含有したポリマー複合材はマイクロ波特性の共振ピークが5〜12GHz。(シンガポール大)
  • Fe-Ni-Co磁性材を気相タンデム沈着法によるテフロンとの多層化フィルムは車載通信機用として、ギガヘルツ対応。(クリスチャン・アルブレヒト大)
  • ポリマーのCVD膜や自己組織化膜にダイヤモンド膜を積層して熱伝導型ICパッケージング用Low-Kフィルム。
  • 〔塩化Ptアミン塩とUV硬化性アクリルモノマー〕をNa硼素水和物にて還元すれば、表面に100nmプラチナ(Pt)膜の形成。(SumSung)
  • 〔ポリイミドとナノ級メソポーラスシリカ〕のフィルムは広域の周波数で誘電率が一定のLow-K材。(中国 科学技術大)
  • 〔導電ポリマー+CNT〕をスーパーキャパシタ用電極。(USP 2006 0166810)

そこでアイデアなのか疑問なのか、気になる領域は例えば・・・

  • 陽極酸化アルミの孔にいろんなナノ粒を詰め込んだら?
  • 金属ガラスとナノ粒は。更に駆体金属の表層のみに?
  • シリコン膜とアルミナエアロゲル膜の積層は?
  • スーパー繊維布の空間にゾル-ゲル膜を張ったら、その膜がある特性を有していたら?

際限ありませんね。日頃ゴロゴロと悩んで転がしていれば・・・、と。