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● Report No296 / 11月30日


スーパー光線

ウルトラマンはスーパー光線のデパートとも言える程の持主。ブレスレットがランス状に変化しての白熱光、反重力を与える光線、光線をギザギザの丸い形にしたスラッシュ、針状の光弾のウルトラショット、目が発するレーダー光線など破壊中心のエネルギー。時には味方を守る包み込み型バリアー光線も。遠距離照射能力を有しながら軽量敏捷性となると、現行技術では不可。 この種のエネルギー線の代表格はレーザーと電子線か。

今ではいづれも多様な形で産業界では実用化されている。前者は分岐・反射が出来るため同時多所・遠距離が可なれどエネルギーの大きさ・収束度は後者に劣る。一方電子線(EB)は真空中との制約あり。

ウルトラマンと言えども地球上では光線銃は威力を発揮出来ない。地球上ではレーザーに利ありとなれば、身の丈に合せた利用、殊に微細加工分野にその特徴の発揮は随所に。多層・積層化、高精細化、ハイブリッド化にも、と。

  • 次々世代EUV露光システムをSn系のレーザー生成プラズマによって(ASET、ASML)
  • チタン・サファイヤレーザー装置によるパルスレーザーでフェムト秒領域を(原研)
  • 集光機能ナノガラス薄膜による青紫色レーザーによる超高密度DVD(日立)
  • 変調ラジカルビーム法チッ化化合物のナノ構造発光素子(香川大学)
  • レーザープラズマ軟X線による石英ガラスの超精密アブレーション(筑波大学)
  • 加工対象物に予めナノ粒子を埋め込んでの可視光レーザーによるナノ加工(京都工芸繊維大学)
  • フェムト秒レーザーによる膜蛋白質の結晶化と加工システム(大阪大学)
  • YAGレーザーによる3次元金属加工で人工骨関節を(大阪大学)

もの壊しに用いず、もの造りにスーパー光線として精を出せば、量子コンピュータ・分子ナノデバイス・多次元光メモリー・名のサイズモーターも目前に。その時の社会の様相は如何ならん。大量エネルギー消費時代から脱しているか否か・・・・・。

光線は破壊にも創造にも使える諸刃の剣。慈愛の光線が一番と・・・・・。

 

● Report No295 / 11月23日


人工筋肉(二)

ロボット開発真只中、万博での踊るロボット、ロボカップサッカーなどメカトロニクス方式に目を奪われている裏ではケミトロニクス方式の駆動ロボットの開発が着々と進行している。水槽を泳ぐ金魚ロボ、靴ヒール部に埋め込まれたモバイル用歩行発電機など。

材料的には高分子・金属・セラミックス系と諸々あるも、ポリマー(高分子)系が材質と加工性の多様さから主役か。又、単に駆動アクチュエータのみならずセンサーやMEMS分野に於ても可能性を示しており、更には最近続々と出現しつつあるナノ材料との複合化により、成型・薄膜・積層 等によって実用化に近づいている状況。

ポリマーの型としては電子(電気)型とイオン導電型がその代表格。やがては人体筋肉の如き低電圧・低温(40℃以下)駆動・高効率の物件を目指せとばかり、2005年米国で人間対ロボットの腕相撲大会が催された。そこで気になるのが駆動の為のエネルギー源。電源装置が筋肉部に比べて何倍もの重量であったり、一定以上のパワーの持続時間等を見ると未だしの感。人体のエネルギー消費は会話で128W(ワット)、家事175W、水泳582W、登山700W、マラソン1048W、短距離競争1630Wと。さすればとりあえずは、バイオエタノールによる燃料電池をエネルギー源とする薄膜・積層型筋肉、やがては色素増感太陽電池布に包まれた筋肉、ひょっとして空中電波吸収駆動型なんて夢想。

人の筋肉は食品からエネルギーが生まれ、その食品も味付け次第。人工筋肉用ご馳走は何かな・・・・・と。 パルス電子波のドープ風味か、金属イオン包接の駕籠かご型カーボンナノチューブの衣揚げか・・・・・。興味津々。

 

● Report No294 / 11月17日


熱さまし(二)

前掲の熱さまし(No.237)では、低融点合金とポリマーのIPN用の材料やカーボン短繊維の磁場下での異方化に、No.131ではCPUの放熱に触れました。機器・装置類の放熱・冷却は高性能維持に不可欠で影のキー(鍵)技術とも言えるだけに、自然空冷の放熱板にはヒートパイプ 或いは冷却ファンの組み込み方式や新規のファンモジュールの強制空冷方式も出現。熱の移動形式には熱放射(熱が電磁波として移動)熱伝導(高温側から低温側へ)と熱伝達の要素があることから考えなければならないのは当然。2006年に入っての放熱型基盤材料製品に限っていくつかを羅列してみますと、

  • (アルミ/カーボンファイバー/CNT)のパルス通電焼結成型物(島根県産業技術センター)
  • 窒素アルミ系昜加工型基板(三菱マテリアル)
  • 窒素シリコン系高熱伝導基板 - Nの一部をAl・Oに置換(日立金属)
  • 熱伝導フィラー入エポキシと積層した銅 or アルミ基板(電気化学)
  • 新規性熱伝導性フィラーとして少量の酸化イットリウム配合の窒化アルミニウムはエポキシ・シリコーン・ビスマレイミドトリアジン等に配合し、封止剤・成型シート・基板に(古河機械金属)

か様に眺めると、限られた?既存材料の組合せでは一通りのトライが為されている様なので、プロセス的に、又 方式(仕組み)的にジャンプ発想も必要かと。

より高温化するモジュールの熱を逆に冷却エネルギーに転換して±(プラス・マイナス)ゼロにするスーパーフィルム(シート)なんてありませんか・・・・・。さて一寸頭を冷やそう。

 

● Report No293 / 11月09日


テラヘルツ

材料技術分野の有機オリゴマー類の光重合では、電磁波光としての波長域で言えば、近赤外(NIR)〜極紫外線で周波数では100テラヘルツ以下のもの。テラは接頭辞で キロ〜メガ〜ギガ〜テラ〜ペタ の順、漢字で言えば「兆」即ち10の12乗。改めて、テラの世界を覗いてみたら、今迄光が当っていなかった"未踏の光"とあった。そのテラ光の波長は 1mm〜30μで、赤外線と電波の中間域にある為、光と電波の両方の特性をもつとか。しかし乍ら光子エネルギーとしては低すぎる為その発光観察は難しかったが、JSTでは光子一粒ずつ数えて画像化する走電型顕微鏡の開発に成功したと。これは生細胞の観察が可能となり生命活動の研究に威力。

  • テラヘルツ波は人体など物質透過性もち 乍らも安全型
  • 金属・水分量に敏感ゆえ検査システムに便。ガン部の可視化に。
  • LSIなどの回路診断、眼光紙背に徹す - とばかりの封書内検査。
  • 直進性電波・短距離型ゆえにミリ波固定無線はユビキタス社会用

自身の好きな光重合系高分子分野の波長域/周波数域と少し違う隣の領域で、先端技術研究開発が生化学・光通信・計測・医療・材料化学など広範囲にうねり出したのに改めて感銘を受けた。よって今一度、自己領域にテラの味付けをしてみたら美味しくなるか?否か?フカヒレは元来、味のまったくない食材、昔は廃棄物、今味付けて超高級食品に。食素材か、味付けか、も着眼の一ポイントと。

 

● Report No292 / 11月02日


極低温

シベリアの極寒(-50℃〜)よりも遥かに低い液体窒素(N2)は-196℃、バラの花弁が一瞬にして砕け散ったり、バナナで釘が打てたり、と。 絶対零度(0 K(ケルビン))は-273.16℃。液体ヘリウムは2.1K、液体水素は20〜26K、これらは超低温。

生物とて凍らせれば、保存(精子など)や細胞構造の固定が出来る。殊に保存では緩慢凍結急速解凍で、1℃/分 速度凍結し液体窒素中で保存する方式がよしと。同じく凍らせる利用では土木工事の土壁の強化による崩落防止法や金属鋳造用鋳型を砂と水のみで凍結固化する方法も。

これら氷結固定以外に物質相の変化もあり、それに因る物質(伝導性・磁性・相関電子特性 等)を利用したMRI磁石の冷却なども知られるところ。又、化学反応のコントロールも可なりと、1970年代、米国航空機製造に常温硬化型エポキシ・チオコールの一液化冷凍カートリッジの解凍と吐出作業を見学し驚いた記憶も。更には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の冷凍プリプレグの多用も、単なる作業の効率化のみならず品質管理面での威力大と。 日本ではCFRPのゴルフシャフト製造に採り入れられたもの。

冷凍保存で気になるのは、やはり将来の惑星間宇宙旅行。それも地球時間で何十年も要するとなると人体の冷凍(低温)仮睡化。それは細胞内の自由水を、一部を凍害防御材(例 - グリセロール誘導体)に置き換えての徐々凍結 -仮睡- 特殊マイクロ波による解凍 - 目覚め。 地球に帰還しても今・浦島太郎。

この種の映画はいくつかありましたね。やがては現実へ。

 

● Report No291 / 10月24日


温度に敏感なポリマー

温度といっても高温ではなく常温・室温域での急激な変態を示す高分子材料は極めて少ない。ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)はその代表格。32℃を境に水中で溶解と凝集を示すのも、32℃以下ではアミド結合基が水を抱え込み、32℃以上では脱水和に因るものと。

この様に比較的弱い相互作用による集合体に起因する大きな内部自由度を持っているこの種のハイドロゲル体は環境応答材料として注目されるのは当然。

又、生体適合性も持つとなるとDDS、再生ティッシュへの可能性も大きい。更にはマイクロマシン、MEMS、マイクロアクチュエーターへも。さすればより新規性のポリマーの開発をと、続々と成果公表され・・・・・

  • 17℃で水へ可溶/不溶のヒステリシスを持つ新規ビニール系ポリマー。更にはデヒドロアラニン系ポリマーは析出粒は数十ナノクラスと。(徳島大)
  • 38℃で転移点を持ち膨潤(低温側)と収縮を示すビニルメチルエーテル系ポリマーはガンマ線照射架橋によって得られる多孔質スポンジゲル体
  • 低温側では相溶して透明、高温側では相分離して不透明となる温度感応光スイッチは[アクリル/フルオロ]系ポリマー(静岡工業技術センター)
  • 低分子系でも出現したのがグルコシドアミノ酸系ヒドロゲル(AIST)

他物質と組み合せでは・・・・・

  • ペプチドとPEGの共重合物は40℃以上で水中の金イオンを捕集(滋賀県立大)
  • 磁性ナノ微粒子(10ナノ径)に感温ポリマーコーティングした温度制御型(滋賀県立大)
  • 抗菌剤のホスホニュームクロライドと共重合せしめた感温ゲル

さすれば、各々の物質を利用・応用して製品を商品に仕立てるにインク、マイクロカプセル化、光重合系に分散、諸ナノ材料との組合せ、パターン化、無機ゾルゲル材との組合せ、等々際限なく想は拡がるも単なる夢想か・・・・・注目していたい。

 

● Report No290 / 10月19日


気相コーティング

塗膜形成は液相(液体)dipping、spin、spray、roll coatで為されるが、より精密な薄層かつ無機材料系となると気相法が主役の様だ。かつて、重合性パラキシリレンの気相コーティング(VD)を経験したので、無機系の技術を覗いてみたくなった。VDにも物理的(PVD)化学的(CVD)とあり、前者には真空蒸着スパッターリング・イオンプレーティング・金属酸化物(MO)VD等、後者には気相成長法等。覗きなのに先端的動向も少々は知りたいと、背伸びしてのあちこち情報散策。先端的教科書風文献として 2種抽出

  1. 半導体製造装置技術ロードマップに関する調査研究報告書(H16.3月刊)
    • スパッター
      • RF方式は強誘電体膜・高度バリアー性膜
      • DC方式は電極膜
    • MCCVD-チャンバーへ投入直前に液相→気相化する新方式
    • 層間絶縁/メタル配線/イオン注入 等 とっかえひっかえこれでもかと。

  2. ナノコーティング技術プロジェクト(H13-H18)評価レポート - NEDO
    • 酸化物セラミック膜プロセス 3種(熱プラズマスプレー・高速PVD・高速CVD)
    • 目標 50nmオーダーのナノ複合構造
      • ポア・粒子分散構造膜(EB-PVD)
      • 金属有機原料の高速CVD

時には、非専門領域であっても、気紛れ的方向での興味に、砲口を向け、彷徨しているうちに、芳香に巡り合い、思はず咆哮してしまう、のも楽し。

 

● Report No289 / 10月12日


ネジは邪魔もの

ネジは部材・部品の締結に不可欠。ボルト/ナットが弛んだら大変。弛み止めの措置も多々。1980年代米国に於ける日本車の故障率の低さにはネジ類の精度と締結管理にあったと米国側調査機関のレポート。一方GMは戦略車サターンのパネル組立ては極力、ネジを減らしてめ込み構造を採用したことなど思い出される。時がたち、リサイクル時代に入り、分解性が求められ、ブロック設計化やねじの削減が求められる様になって来た。プラスチック部品の中に金属ネジが入っていれば、粉砕・溶融出来ない破目に。そこで業界は工夫の数々。

  • コピー機のプラスチック部品には金属インサート成型をしない
  • オートバイの風よけカバーはめ込み方式に
  • 洗濯機の特殊金属ナットは廃止
  • TVの偏光ヨークは易分解性の構造に
  • 車のインパネのパッド/ダクトは同種材質とし振動溶着

そして締結にはネジ類に替えて、超音波接合・摩擦撹拌かくはん接合・再剥離はくり型接着剤など工夫の数々。トピックとしては一定温度でネジ山が消えてしまう形状記憶合金製のネジや同じく形状記憶ポリマーのクリップ等の出現。一転、戸建住宅はと眺めるに、木質系モノコック構造、セラミック/木質合板の積層外壁、スクリュー類、多種の接着剤・シール剤・塗料などの多様はリサイクルには程遠い有様。

昔の木造建築はマニュアルがなくても解体とリサイクルが出来たのですが・・・・・。杉の皮き屋根、松の丸太骨組み、土壁、板戸、障子のさん・・・・・

 

● Report No288 / 09月26日


固体の酸

化学工業においての硫酸は代表的な酸触媒として、そのスルホン酸基は安価で多用なれど、液体ゆえに反応後の分離・精製に関わるわずらわしさがある為、酸基を固定化させる研究が盛ん。即ち、接触反応型を狙うもの。

30年程前、開環重合触媒のトリフェニル・スルフォン酸のオニューム塩の溶液を擬似固体化せんと、メソポーラスシリカに吸着させたら・・・・・アルキル反応やマイケル付加反応などへの可能性は、との研究に触れたことがあった。典型的な固体酸のゼオライトでは期待し得ない反応で、かつ光に誘起されての酸発生の特異性を夢見てのトライ。事情があって棚上げとなってしまうも、後年 ナノ・コンポジットのコンセプト(モンモリロナイトのインターカレーション)に触れて、さすればと感ずるも案の定、チタンカチオン種を層面に形成した酸発現剤の報(大阪大学)があったり、砂糖を加熱して炭素材を得て、細孔をスルホン化する固体酸(東工大)などの画期的な技術の出現はむべなるかな、と。接触反応で進行するも触媒自体は不動となれば、夢の利用方式は泉の如く湧き出ることを必定。ストローを通過したり、布・マットを通過したりすると液体(気体)の容易かつ即化学反応は省エネ・無公害につながるものとなれば尚更。上述の炭素材も植物油のバイオジーゼル油化や燃料電池の電解質膜の形成にあるとのこと。

酸っぽくてもその成果は甘い香り。

 

● Report No287 / 09月12日


或るシリコン化合物

チオール・エン型光硬化性の有機-無機ハイブリッド開発品の誌上ニュース(2005年11月)に触れたとき、同種の技術での懐かしい想い出が浮かんで来た。1980年、米国で上市されたばかりのラダー(梯子はしご)型ポリシルセスキオキサン(SQ)が知人から提供されたので、当時取組んでいたカチオン重合系光硬化性エポキシにも配合してみたところ、紫外線照射なのに20ミリ厚の硬化物が得られ驚いた次第。後年、特許は取得したものの、注型用組成物としては、原料自体の超高価ゆえに、商業性は乏しいと判断、お蔵入りの破目に。その後ミレニアムにSQの誘導体が各社から上市されると、その利用例には上述の配合方式に近いものもある様なるもそれらの主用途は薄膜系にあり、低粘度/含浸可能/加熱縮合による耐熱膜/金属との高接着性/優れた電気特性/耐食性/高透明性/撥水製 等々とよいことづくめ。当時は注型封止剤中心のテーマ領域であった為、薄膜の市場性の認識が乏しく、くだんの知人曰く、超高付加価値の半導体 Low-K材でエンジョイしているのよと聞かされ、盲・象を撫でるわだちを又踏んでしまったのかと・・・・・。SQも新型のフェニル型(コニシ)、有機ハイブリッド型(東亜合成)、ダブルデッカー型(チッソ)等が出現。当然のこと乍ら、ナノ(材)との組合せも熾烈しれつに競争と思い、眺めると多孔質材との組合せ(京都大)も有り、化粧品への配合剤も有り、なれば光学部材への利用はと眺めれば当然のこと乍ら多々。又も、灯台下暗し、でした。

 

● Report No286 / 09月08日


尻とり

子供たちの尻とり言葉遊び、の如きスタイルの技術言葉どりがあっても可笑しくない。若き科学者たちが、コーヒー片手に技術用語をリレーしてのワイガヤ、その効果は大と推量。こんな具合にと、一人で言葉どり遊びを表現すれば・・・・・。

(振り出し)「梅雨の庭 重げに咲く紫陽花を そっとゆすりて水滴落す」(城畑元子 氏)の[水滴]→薄膜形成→カップリング剤→SAM膜形成→光感応型→チオール系→親水/疎水パターン→酸化チタン超親水→超撥水剤の密着性→プラズマイオンによる表面改質→そこでプラズマイオンを紫陽花に照射したら、水滴は形成されないのか・・・・・、と言った具合。既項で、親水/疎水に関わる単語・フレーズではフラクタル、DLC、光でコントロール、お辞儀する分子、単分子で林を逍遥しょうよう、有機CVD等があったので、これらの方向にメンバーによっては曲がって行こうし、又 別のメンバーによれば ナノサイズ→ゾルゲル とかCF基の配列→フルオロポリマー膜→テフロン超微粉配合→フッ素樹脂粒子共析メッキ なんて流れになるのかも。

基本キーワードを設定しての振り出し、上り(あがり)は振り出しに絡むようにしたら、と。研究開発で袋小路に迷ひ込んだら案外こんな遊びがブレイクスルーの切っ掛けになるのかも。一人遊びはいつも堂々巡りに・・・・・。