貴金属の代表、金。日本では中国から銅銭の輸入に砂金で、8世紀より約900年支払い続けた、とあります。また、かの藤原氏は中尊寺の経典買い付けのために、中国へ4.4トンの砂金で支払いをした、とのことです。それでも、当時の日本では金より銅の方の価値が高かったと見える。当時の日本(大和国)の通貨は輸入銅銭主体であった。銅の精錬技術がなく、自前で通貨を造ることに不自由したため、拾って集められる川の差金を持って通貨輸入したらしい。
さて、西洋ではエジプトの冶金技術にギリシャ医術が合体した形の錬金術が発達し、卑金属(Cu, Pb, Sn)から金・銀を得ようとする試みがなされました。なんと18世紀まで努力が続けられたとか。一方、中国では錬丹術と称して不老長寿薬が金からもできるのでは、と研究されたりしました。現代版「錬金術」は、金そのものの価値を高める「術」、すなわち加工度を高くして、実質的にグラム当たりの価格を高めようとする努力が中心となっています。
例えば、
・ナノクラス超微粉子化
・錯体化(例:含ポルフィリン錯体)
・合金としての極細配線材、微小電極
・薄膜材料(例:自己組織化膜形成基材)
まあ、政治家の錬金術には触れないで置きましょう。