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● Report No233/ 05月31日

EB(電子線)でもの造り

 真空中で電子を電圧で加速して空中に取り出して物体に照射する―その物体が重合性のオリゴマーやポリマーならばと考えるのは自然の流れ。光(線)重合では華の紫外線(UV)方式では、硬化性組成物に不透明フィラー(銀・カーボン・フェライト等)の配合は不可であり、又、硬化膜厚も100μ以下で使用されるのが普通。

 ところがEB方式は速い硬化、熱に弱い基材でもよし、冷却・エージング不要ゆえに次工程に直ぐに進める。かなりの厚膜形成可。UVでは不可の不透明フィラー配合が可。重合の為の開始剤が不要等々、良い事づくめより、既にインキ・接着剤・粘着剤・薬剤徐放性・加工等に利用されており、これからの注目プロセス。とは言っても、未反応残渣問題・過剰照射による劣化―分解問題等はあり。

 でも総合的に見て融通性(AVAILABILITIES)が高い技術なれば、鋼材・木質材・セメント・プラスチック・紙類・磁気材料等と組み合わせて新規性の複合材料、若しくは新しい製造方法が湧き出て来ることでしょう。既にICタグではEBプロセスは極めて有利と聞きました。又、新型航空機の構造部材にも革新的に展開されているとか。

 EB(光)でもの造り、格好良い響きではありませんか。容器に液体を入れるのではなく、液体にEB(光)照射して周りに壁膜形成するなんてことも、つい夢想してしまう。

  

● Report No232/ 05月24日

複合レンズ

 複合―ハイブリッド化なる技術手法は、あらゆる分野で採り入れられている。複合成型・ハイブリッド硬化・ハイブリッド種等、異なる材料を組合わせて掛算的に特徴を発揮させるもの。レンズの世界でもガラスのモールド・研磨による方法が中心であったが、やがてプラスチックの射出成型による安価で大量生産ものが出現。

 やがてガラスの長所(耐熱性・透明性)とプラスチックの長所(成型性・転写性・屈折率・調整能等)を組合わせようと、ガラスコア材に高分子レジン被覆層形成なる複合レンズが出現。とは言っても簡単には済まず、界面接着力は十分か、レジン層に気泡は入っていないか、又、その為のレジンの塗付方法は、貼り合せ方は、転写型としてのスタンパー表面の離型性は、レジンの膜厚と硬化の為の光照度の制御は、硬化後型外しのし易い構造は等々、生産技術者のレース場。

 レンズで直径がセンチ〜ミリ級ならば、上述のテーマ対応技法は個別に考案出来ようが、ミクロン〜ナノ級のアレー型になってくると、その型、レジンの種類、工程がセンチ級とは根底から変わって来る様で、その主たるリソグラフ技法によるパターニングは、マイクロデバイスの世界。更には、レジンをコア材とし被覆層をゾルゲル系ガラスとする光学素子も当然存在。何れにせよ材料個々の持ちたる特徴を他のパートナー材料と仲良く手組み総合能力を発揮する複合材料はレンズに限らず、これからの先端材料のあり方。開発体制とていろいろな能力人の複合体でなければならない。

  

● Report No231/ 05月17日

熱くなる熱くする

 物質を温める・熱くするには炎が普通。薪・石油・石炭など所謂燃料による方法。そんな台所にマイクロ波発生の調理器・電子レンジや誘導電磁場形成による加熱システムが出現。何れも源は電気、それも特定の波長に基くもの。波長を更に変えて高周波誘電加熱や電子線(EB)照射などによる技術手法もある。これらの電磁場による加熱は炎による熱伝播方法によるよりも、短時間で済む高熱効率で、拱択加熱が可能かつ環境汚染を来たさない理由によってその利用は拡大する一方。更には、特定波長による化学反応(重合・硬化・架橋・分解など)も自在に制御出来るとなると、目に見えない魔法の杖か。

・バターでポリエチレンを接着
 磁性粉とバターの混合物を3-8メガヘルツ誘導電磁場で
 瞬時にポリエチレンを接着出来る。
・黒マジックインキのプラスチックシート上のマークは、
 レーザーダイオード光によって光熱変換によって
 熱くなるので、ワックスや接着剤の易剥離性システムが
 構築出来る。
・カチオン重合型のエポキシレジンを
 密閉型に注入注型する直前に紫外線を照射すれば
 型中で自己重合反応を来たし成型物が得られる成型技法

 さすれば、赤熱岩石を煮物・焼物に利用する如く、予め電磁波により蓄エネルギーせる特殊炭素材をポンと生食品に接触せしむれば一丁上がり、なんて時代が来るか…熱い思いで待ちましょう。

  

● Report No230/ 05月10日

場(二)

 分子・原子の世界では相対性理論と量子論とで、素粒子の拠動から宇宙論へ展開が可能となるらしい。超微粒子ナノ材とて常に予想を超えて不思議な振る舞いをするようだ。そんな興味心の前に不思議がいくつか転がっていった。

・1.17ナノ径のカーボンナノチューブ(CNT)の中に
 閉じ込められた水分子は5分子でつくる輪が重なった
 筒構造で融点が27℃となっている。(AIST)
・CNT超音波照射によってコイル状に変態でき、
 照射条件が酸性場で、環状CNTが形成できるとの研究。
 CNTは形状によって金属
・半導体と変り、その利用範囲は拡大しつつある(山形大)
・デバイス中を動回る電子の動きも場により大きく変る。
 時に狭い場所に閉じ込められた電子
 ―穴の開いた壁を潜り抜ける動き― 即ち、
 ヌルヌルアメーバが胴体を細くし通り抜けてしまう様、
 電子とて生き物の様、驚きです。(山梨大)
・電界とは異なる磁界も、
 例えば心臓が動くたびに微磁界が形成されると。
 心電図と別に研究されており心磁図と称するそうな。
 当然脳磁図もある。
 かのMRIは身体に高周波磁界を負荷し
 核磁気共鳴を惹起せしめた診断法。

 これらの他、超流動(Heの粘性がゼロとなる現象)や超電導(電気抵抗がゼロとなる現象)も場の条件設定によって得られる物質の振る舞いの表れ。

 生物とて、場によってその動き方は千変万化、いわんや原子・分子に於いてをや。新しい動きの発見がそのまま即知的財産になる時代。場の複合負荷研究競争は既に始まっている。

  

● Report No229/ 05月03日

場(一)

 以前、マイクロカプセルの開発に関わった事があるからでもないが、妙に“粒”が気になる。改めて本欄を眺めて見ると、ゾロゾロとあるわあるわ。メカノケミカル反応(147)、相分離(140)、粒の時代(134)、相分離(二)、セラミックは粉(158)、お辞儀する分子(169)、ナノ三球(137)、ナノ級磁石粉(174)、粒の経験(179)、異方導電性(179)、異方化(181)、フレーク(184)など。粉も50〜200μの普通粉が30μ以下のファインミクロン。

 サブミクロン〜ナノ級〜1桁ナノ級へと。ナノ級に入ると量子効果も顔を出し始め、粉が踊り出す様だ。ナノ金粒となると強磁生を示すとか。ナノ粒の踊り方は日本舞踊か、西洋バレーか、アフリカンスタイルダンス? その踊り手の粒に蒸着、メッキなどの複合化による衣裳をまとわせると又踊りも変わって来そうだ。舞台の装置とオーケストラの存在も又大切。電磁場・光・温度などの強弱・複合付きによって粒は独特のパフォーマンスを表現しよう。

 これらのパターン律を会得してしまえば演出家(研究者)の粒の手網さばきも自在となろう。更にソロでは単純でも群舞ともなると一きょに超複雑系に。場によっては誰(どの粒)も動かなくなるかも。

 でも粒が小さい程超敏感なので、演出家の腕次第で観客総立ち公演となろう。パフォーマンスさせてこそ粒ーナノパーチクル、どう口車に乗せるかのレースに期待。

  

● Report No228/ 04月26日

FRPを颯っと造る

   FRPは構造材料として、プリント基板・ボルト・ゴルフシャフトなどきわめて広い分野で利用され、パラリンピックのバスケット用車椅子もCFRP製が注目されたりと。熱硬化性レジン系FRPは強度・耐熱性から市場が拡がるも、熱硬化プロセスは効率が悪いため、種々の方式が開発されつつある。熱金型内での硬化ではサイズと形状に限界ありと。エネルギー・型の工夫いろいろ。

・熱に代わって光(紫外線UV,可視光VL,近紫外線NIR等)
 照射によって硬化。
・ところが光不透過性となると
 光で表面を硬化させ内部は加熱炉で。
・カーボンファイバーのひも・棒には通電し発熱硬化。
・マイクロ波で誘導硬化も。
・特異形でかつ高密度を求める航空宇宙分野では、
 熱媒を圧力媒としてゴムスキン介在の硬化。
・更には上記にRTM(レジントランスファー)方式を
 組み合わせて。
・より速くより厚くと電子線(EB)、]線硬化も。

 こうなると、国際宇宙ステーションの建て増し建設にプリプレグを広げて宇宙線硬化なんて具合に。もっとも地球からの運搬中には宇宙線シールド袋に入れなければなりません。ところでどの波長の宇宙線を使うのが効率的なのかな…?

  

● Report No227/ 04月19日

新ハイテク材料 一酸化亜鉛

   この地球で毎年150万トン以上消費されている金属亜鉛の主用途は、鉄板に亜鉛メッキしたトタン、銅との合金の真鍮など。この亜鉛の酸化物はゴムの添加剤として大量に消費されているが、新しくハイテク分野の花形材料になるかも。稀少金属ではない経済性が何よりとばかり各研究機関が競う有様。

・青色発光ダイオードは窒化ガリウムを酸化亜鉛とし、
 P型を可能とした結果、消費電力1/10、寿命10倍とか。(東北大金材研/産総研)
・TFT液晶に酸化亜鉛膜(高知県)
・シリコンウェハー上に酸化亜鉛の導膜形成によりトランジスタの形成
・酸化亜鉛微粒子による皮膚表面被覆――紫外線による活性酸素2次発生への防御
・二酸化チタンとハイブリッド化して新規性の光触媒皮膜作成(宇都宮大)
・サファイア基板に10ナノ酸化亜鉛柱を集積し超々小型トランジスタの形成(京都大)

 まさに亜鉛華(酸化亜鉛のこと)百花繚乱。その華園を眺める人の身体にも、1.5グラム程度必須金属として含有しており、細胞発生や分化を司る遺伝子情報の保存・発現・制御・調節に蛋白質と結びついているとか。

 さあ海草・豆類を食べて酸化亜鉛に想いを至そう。

  

● Report No226/ 04月12日

常温でも膜形成

   有機ポリマー・オリゴマーからなる塗料は、太陽光・空中の湿分・硬化剤等によって屋外でも乾燥膜を形成する。

 無機系にせよ有機系にせよ凡そ熱エネルギーを付加すれば原子・分子が踊り出し化学反応を容易に惹起する。その熱エネルギーを加えずして或は加えるにしても必要な箇所のみに限定しての膜形成技術はハイテク材料時代重要なプロセス技術となってくる。

 有機系ではポリパラキシレンの二量体を高温でガス化(ラジカル化)し、そのガスを基材に常温で沈着重合させて塗膜を得る方法が広く知られている。パーハイドロポリシラザンなるSi骨格のOとN含有化合物は常温で疑似ガラス膜を形成。土木建築分野でも重宝している。

 高温焼成でなければ得られなかったアルミナ膜(Al23)を特殊なスピンコーティングによって(AD法)常温で堆積し得たと(AIST)の例。その他、注目されたいくつかを列記すれば、絶縁体フェライト膜をメッキプロセスにて、半導体レーザーによる拱択的加熱をカーボンブラックに施したりMeヘルツ級誘導に電磁波下でγ‐磁性材を加熱して反応誘起を計ったりして自在にパターン状膜得たり、とあらゆる材料技術分野で鋭意研究が進められている。

 薄膜技術が世界を制すると言えるほどの時代となると、電荷を持った原子‐プラズマやナノクラス超々微粒子が作り出す靄(もや)がこれからの鍵の一つかもと思える。液を脱してガス(蒸気・霧・靄・雲)に至って先が見えるかな…。

  

● Report No225/ 04月04日

人工筋肉

   今、各方面で人工筋肉の開発が活発に進められている。文字から判断すると人工心臓・肺・肛門等のような人体器官の筋肉版のように見えるが、胎内埋め込みは少し先の話で、その前にハイテク機器類への組み込みが大きく期待されている。

 マイクロ光スイッチ・マイクロポンプ・ロボット制御モジュールなどOA機器モートル・センサー等に至るまでその潜在的用途は膨大だ。それだけに、これらに携わるR&Dにマン達はポイントとなる材料の特性発見と独創的機構の組み上げに努力を集中。それは静電材料・メカノケミカル材・形状記憶材・磁歪材・圧電材などであり最近の注目は電歪ゴムに‐シリコン系・ポリウレタン系・アクリル系など‐でポリマー成型物の両面(両端)の電極に電圧をかけると厚さが収縮、その結果横に広がりを見せる形状変形を示すもの、大型のものになるとセンチ以上出力も50〜100Nとか。正に人間の筋肉並みの力。

 こうなってくると超小型燃料電池やフレキシブル太陽電池と複合化してシート状の筋肉パッチの出現も、それは関節に貼り付けて労働・運動量の軽減へと。そうなるとIOCはドーピング同様に人工筋肉パッチの禁止令を出すかも。そうなるとウェアメーカーはウェア内側に内貼りしてしまうかも…、と今から騒々しく想像している次第。

● Report No224/ 03月29日

FPD開発の推進アクセル(2)

   前報(1)は、顧客側からの無責任な呟きで、実施には高度に組織されたシステムでなければ成果は得られないとも感じられる。有機ELパネルの形成に有機VPDがある一方で、ナノ加工技術で得られた超微細孔を持つインクジェットノズルの出現は面白い。また、液晶パネル用光学機能性フィルムも光源の機能によっても進化と淘汰を求められよう。

 TFTでは多結晶Siに注がれ、それもより低温で形成するには? と生産の効率性が求められたり、地上波デジタル受信型形態ディスプレーの方式はどうしたら? 更に3D表示の為の技術方式は? 過酷な使用環境にある車載ディスプレー(窓ガラスに投影するものもあり)は? 等々、人の見つめる時間をより多く占領せんと、ありとあらゆる技術登攀ルートを策定し、人・物・金を動員しての早登りレース。メダル獲得なければ市場から脱落。

 ところが表示方式によって各々長所・短所があるので逐次、市場の棲み分けも出てくる。サイズ・精細度・省エネ度・耐久度等々、技術個々の特徴を発揮―いや、市場で認めてもらって―生き残る様になろう。それでも市場規模が最大の分野ではどれが王道方式として君臨するのか、企業開発者は必死だ。それだけに観客はゲームが楽しい。

  

● Report No223/ 03月14日

FPD開発の推進アクセル(1)

   技術の方式によって当然のこと乍ら、その特質が明確に出、一般の人々にも評価の出来る分野の一つにFPD(平面表示)がある。IT機器の中核技術であるだけにその優劣は企業業績に直結する。

 古典的だが価格性に優れるブラウン管、薄型化に秀でるLCD(液晶)、薄型化に加えて大画面化をも可能としたPDP(プラズマ)、価格的にも大画面化にも心配ないリアプロジェクターは宿命的に厚型、超薄型化かつ可撓性を持つ有機EL、先行技術をじっと見据えている無機EL、そんなレースの中に割り込んで来たのがSED(表面電導性電子放出)で精細性・色再現性・動画表示能を誇るも、「コストは?」「省エネ性は?」の状況とか。これら個々の技術方式はある程度の欠点を有するも、開発努力で消し去り、まさに抜きつ抜かれつ、陸上400メートルリレーを彷彿させる。

 一見、関係の無い分野で現れた新技術(素材・材料・プロセス…)が独創的に取り込まれて、いつの間にか先頭に位置する。それだけに鵜の目鷹の目で情報俯瞰作業は必須。種情報をいち早く拱別する直観力が勝負どころ。

 大勢でやれば量的処理はできる。少人数でも高感度人種の集団ならば確率は高い。カケとは確率のこと。運(100−確率)も大切。だからと運まかせとは行かぬ。結局、組織内の精度の高い情報をいかに早くつかみ、どう共有化していくのか、これさえ円滑に進めば、発明・改良はゾロゾロと思える。

 ―― 一極論でした。

  

● Report No222/ 03月08日

混合物

   COMPOUND、MIXTURE、BLEND などの単語が“混ぜもの”に相当する。化学的組成物の混合体は目視的には混然一体なるも顕微鏡微視的には整然としたマイクロ・ナノ分離と完全相溶といろいろ。

 混ぜものと聞くと昨今事件になった牛肉・温泉水などへの不純成分の添加増量と言う犯罪の香りがするも、材料技術の世界では不可欠の手法。純金(24金)に他種金属加えて実用強度ある18金などは身近な例。ガラスとポリマーの混ぜものを射出成型したり、剛性のエポキシにゴムを分散させて海島構造を形成した構造用接着剤、ポリマー鎖が絡み合ったIPN(相互篏入ポリマーネットワーク)組成物など、混合物の数は8桁に及ぶ程、社会にとって不可欠な要素。

 逆にそれだけ混ぜものが使われていれば寿命後のリサイクルも命題となってくる。その為には、分離回収が可能な形の可逆的接合設計、省エネルギー型の固相リサイクルプロセス、不純物含有のままで利用出来る材料への転換技術など、当初からリサイクルが計画された形で使用に入って行く政策が肝要と感じる。ポリマーベースの相溶体に或る種の刺激を加えてスピノーダル分解によるミクロ相分離を起こさせたCOMPOUNDは電子ペーパーを始めとする機能性部材として注目されている様に、リサイクル混ぜものがグレードアップ高付加価値化すれば、それは夢。夢はテーマ。失望を混ぜるな、と。

  

● Report No221/ 03月01日

画像化

   総体的に、視覚による情報処理量の方が、触・嗅・味・聴覚などに比べて格段に大きい。よって情報の画像化は人にとって“楽”である。今日、あらゆる分野に亘って、画像化‐可視化が進められている。物体にヒラヒラテープ貼りつけて空気の流れを見たり、水の流れにアルミ粉を浮かしてみたり、身近にはカーナビの市街地立体画像等、誰でも一目で判るのが良い。いくつか事例を、

・応力発光粉(アルミン酸ストロンチューム系セラミック)配合接着剤による接着構造の設計適正化が計れる技術(東工大・産総研)
・応力歪み破壊型染料内包マイクロカプセル配合塗料による鉄鋼構造物の変形、早期発見技術。(航空宇宙研)
・内蔵の超音波診断画像は既に恩恵たっぷりと

 こうなるともっともっととばかりに研究者たちは

・分子の動きは ・ガス濃度は ・手術中の神経状態は ・高温での物質溶融状態は ・人工肺内部の空気の流れ方は ・ナノ領域での不純物原子の分散状態は、 等々拡がるばかり。でも、本当に欲しいのは、人の心の動きや、その集合体での政治経済の動きの現在及び今後の予測の画像化だと思いますが。とは言っても、あまりにも複雑系すぎて、台風の進路予測の様には行きませんよの声も。昔は台風の発生する判らなかったのですから、何時かは…と。