『
なだらか 』
自動車のトランスミッションがオートマになっても、幾分はギヤの段階を感じるが、CVT方式では、継ぎ目の無い傾斜勾配的ななだらかさ。東京シティターミナルのスロープ型エスカレーターは階段なし。水墨画も墨の濃淡が連続的に変化しているところが魅力で、まさに絵師の技倆のポイントとされている。斯様に連続的な(断続の接ぎ合わせではない)組成勾配をもつ傾斜材料の開発や利用にも注目。
・ 墨絵のようなフイルム(ポジor ネガ)の濃淡による光の透過量によって、
光硬化性レジンの硬化深度を得て作る立体オプト成型物。
・ エネルギー変換材分野では、 複合エミッター電極材料やTiC/Mo系集熱材料や
カーボンファイバーを傾斜配列したC/Cコンポジットなど。
・ 形状記憶合金繊維布の熱挙動を利用して含浸組成物の濃度勾配。
・ ポリマー中に磁性紛、セラミック粉の勾配配合物。
・ 遠心分離法による合金中の一成分の濃度勾配づけ。
・ ポリマー系光ファイバーに於ける低屈折率フルオロ系成分の
表面移行(マイグレーション)によるワンプロセス成型方法。
人は社会では、二面性は往々にしてトラブルの基ですが、材料の世界では重用されることが多いのです。
『 ハイテク・シール
』
シールと言うと、工業分野の水密・気密のパッキングやガスケットを想起してしまうが、大英和辞典によると次の様に・・・、
・ 印形(紋章・略字・符号を金属、石材などに彫ったもの)
(ロウ・鉛などに印で押した印章)
・ 封印 ・ 秘密を保つもの ・
手紙などに貼るシール
どうも全体のイメージは"情報"の封(シール)の感じ。
偶々、手元の薬ビンの栓の封ラベルを剥がしたところ「開封」なる文字のみが残っていた。さしずめ、メーカーの封印。そこでハイテクシールたるID用封技術はと手元の資料を眺めると結構多いのに驚いた。その中の2点。
・ 粘着テープの製造時、光重合型工程で特定のパターンのマスクを通して
光照射により、粘着力に差のあるテープが得られ、再貼付不可と。
・ 自動車用塗料で、直径1ミリのポリエステルビーズが配合されており、そのビーズには
17桁の認識番号が5ヶ所以上に散りばめられている盗難防止を狙ったID塗料。
この種の技術発展は仕方の無い事ですが、あまり愉快な事、心地よい事とは思えませんね。