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● Report No311 / 05月26日


有機CVD(その3)

前回掲載(No.005、No.006)以降、はや7年も過ぎると、その後どの様な進展があったのか気になり改めて覗いてみた。

1970年代に開発されたポリパラキシリレン(PPX)はそのコンフォーマル性を生かしてのプリント基板や磁性材の被覆に用途を拡げるに加えて、精密ゴム・プラスチック成型品への展開も驚く程であった。被塗物が揮発性成分を含まない固体(擬似固体を含む)である限り被服層の生成は可能であり、重合性気体によるものだけに表面張力を有さず、その結果鋭角突起部位のカバー性にすぐれているのみならず、隙間浸透性にも極めて優れたものと言える。通称、パリレン加工と呼ばれるこのコーティングシステムは、その塗膜の緻密・透明・薄膜製の特徴から必然的に、マイクロ・ナノ時代の素子の作成プロセスに組み込まれる筈と。殊に、常温下での造膜システム技術となればMEMSでの利用は必至。一般にMEMS製造組立て用ポリマーとしての厚膜材料としては、PMMA・POMS・EPOXY・ACRYLATEなどがあるが、有機高分子系薄膜材料としては、ポリイミド(PI)とPPXくらいなもの。PIは常温での造膜は不可だけにPPXの特異性は際立ったものと言えよう。 PPXにもフッ化グレードも出現して耐熱性もアップしたり、接着補助剤の開発も多く為され、その結果用途も拡大の一途。2000年以降のPPX技術を眺め、殊にMEMS分野での情報をいくつか拾ってみた。

(以下その4、その5へ続く)

 

● Report No310 / 05月19日


アクチュエーターの電極

新幹線は初期の頃、パンタグラフ(架線から電気を取り出す集電靴)の開発に苦労した様だ。接触部位の圧力・磨耗の兼ね合いと長寿命化。"新幹線・電気が無ければ唯の箱"と揶揄やゆも。同様な技術要求が、これからの機器類の中枢に位置することになるであろうポリマー・アクチュエーターにも在る。そのポリマー系EAP(Electro Active Polymer)でもIonic(イオン)系とElectric(電気)系があり後者の中のDielectric(誘電体)型がパワーアシスト人工筋肉で注目されている。

この分野ではSRIを嚆矢こうしとし、徐々に実用化されつつある状況。このDE(DiElectric)系ポリマーとしてはPU(ポリウレタン)、Silicone(シリコン)、Acrylate(アクリル)等があり、シート・フィルム・チューブなどの形状材に駆動の為の電極が付けられ、電圧付加によって伸縮動作が現れるもの。当然のこと乍ら、電圧付加時DEポリマーの伸長に伴って、電極も伸びてしまい、それがコート膜ならば乖離かいり・破断をきたし伸縮は止まってしまう。そこで、AuやAlの蒸着電極の欠点を克服せんと技術者たちは工夫の数々。

  • 導電性グリース・導電性ゴムフィルム
  • コルゲートパターン構造の電極膜
  • ジグザグ型金線(ワイヤ)電極の埋込み貼付け
  • 導電性高分子ポリピロールの電着としわつけ
  • DEポリマーシートを伸長状態で電極膜の塗布・貼付け

人工筋肉は平面摺動しゅうどう接触型のパンタグラフより複雑な3次元変形の追随が求められるだけに、まだまだ独創が求められる。"電極なければ唯の板"にならないように願うところ。

 

● Report No309 / 05月09日


機器の解体

一般の人々には、機器類の解体迄考えて使用している人は居ない。IT機器がこれ程世界中に溢れてくると、資源としてのリカバリーは技術開発の大テーマ領域。当然乍ら、法令も覆さると設計段階から工夫せざるを得ない。中心的IT機器のCRT、LCD、POPなどその構成はケーシング(筐体きょうたい)・プリント基板・実装部品など、何れもガッチリ複合化しているので厄介な代物しろもの。CRT(ブラウン管)だけ眺めても解体容易構造の為の防爆バンドだけでも粘着テープで工夫の数々。特許だけでも2桁にのぼる。既に別項で解体性関わる記事を7項にわたって紹介している。ネジは邪魔もの(レポートNo.287)、剥せる接合(No.235、No.092)、剥がす(No.122)、接合方法のいくつか(No.153)、リワーク(No.165)、剥せる接着剤(No.176)など。何れも接着剤を中心に述べたものだが、ネジ類・ピン・クランプ・溶接など他技法も多々あるので、又混在しているので、力まかせの解体は不可と。又、構造部材とて、板・棒・管 更には材質の多様化から余程計画的事前設計でコンセプトを組み込んでおかないと成果は挙げられない。又、ここで思い浮かぶのが日本の古典技術、釘なし組立て木造建屋(合掌造りなど)、縫い糸を抜けば織物原本に戻る着物の仕組み、たがさえ換えれば容器再生の桶(おけ)、樽(たる)など。

熱では溶けず特定波長の光で崩壊する接着剤ならば・・・・・、いや光が届かない陰の個所は駄目となると、その個所には別のエネルギースポット照射を・・・・・等の開発が進もう。それにしても含有ナノ材料の回収までは手いや頭が回りません。

 

● Report No308 / 04月25日


漆を学ぶ(二)

漆液は揮発性成分(水・有機溶媒)を含有していない100%反応硬化型ビヒクル。さすれば昔の人とて当然のこと乍ら漆強化複合材を考える筈。前報(一)の椀木地も一種のFRP(繊維強化プラスチック)用芯材。別項で触れた国宝"僧鑑真がんじんの乾漆像"はまさしくFRP。漆に米粉を練り込み、麻布に塗りつけ、仮芯材に巻きつけ硬化させ、その上に漆ペースト(木粉配合)を盛り上げて塑形像するとか。高接着性を求める個所には更に小麦粉を配合するとか。何層もの積層 - 硬化の工程を踏むとなると完成迄3〜4年は要したと。乾漆像のニーズはと見ると火事の際の持ち出しが容易であるから、とは面白い。

漆の収穫は、天然ゴム液の如く、6〜9月の樹液絞りとりで1本の木から200CC程とか。そんな貴重な液体が、沈金漆[ゴミ]箱が大名家に有ったとか。一方西洋の教会では聖書の置台が漆器であった、と。何年か前、会津若松よりの米国向け漆塗りペン皿が刷目がついているとの理由で返品、これに刺激されたのか、漆のスプレー化研究に入ったり、漆の速乾性を求めてのテーマ「光重合系含漆塗料の開発」が産学協同で推進されたり、「有機ケイ素化合物を用いた速乾性ハイブリッド漆塗料の開発」などのテーマも。11月13日が漆の日と言うことで本項をまとめた次第。"光硬化型漆プリプレグによるカスタムオーダーメイド個人像の製作"なんて商売も出てくるかな…。いや、段ボール材の表面のみ漆加工して超軽量の見た目高級家具として…。いざ火事の場合、どちらを先に?うるしの語源は潤む/うるはしい、からと。火事避難の姿もうるはしくなければ、と。

 

● Report No307 / 04月18日


漆を学ぶ(一)

モノマー・オリゴマーの重合硬化に関わっている技術者にとって、漆(うるし)はふるくて新しい物質。それは炭素(C)、水素(H)、酸素(O)のみから成る膜形成剤。自然に含まれているラッカーゼなる酵素の働きで、空気中の水分から酸素を取り込み、酸化したウルシオールの分子同士が架橋し高分子膜を形成するもの。故に適度の温度と高湿度が必要となり、塗師風呂と称されるチャンバーが欠かせない。この酵素は湿気がある限り何千年も働き続けると言はれる。

塗りものとしては、食器類(ぜん台・椀・盆・はしなど)から家具類、果ては神社・仏閣の建造物に至る迄極めて広範囲に利用。旅の折、見学する機会あり、芯材となるけやきのロクロ削りされた木地は木質セルロースなのに光が透ける程の薄さ迄には驚き、一種の多孔質状であった。聞くと、表裏(両面に)の漆同士がしっかり接合して絶対はがれない構造とか。今様の技術用語で言えば「木質セルロースプリフォーム層への両面含浸がんしん成型法」。勿論、低粘度漆では含浸性が優れていても充填性に劣るとなると、焼性珪藻けいそう土を配合してペーストとする技法で、と。上塗りは[塗布 - 乾燥(硬化) - 研ぎ]の工程を3回以上施し、仕上げると言う。塗る刷毛はけの毛質は腰が有るのにしなやかなる海女(あま)の髪の毛。刷毛はけ目が付くのは不良品とか。C・H・Oのみの元素構成なのに、カーボンブラック粉を配合していないのに黒色を呈するなんて不思議。赤は顔料配合か、琉球の守礼門・首里城はやはり南国の香。玉座(うさすか)の螺鈿らでん細工も漆がベース。漆は英語でJAPANと言う。黄金のジパングと重ねると面白い。

 

● Report No306 / 04月11日


溶解剤(二)

別項の溶解剤(No.214)洗い出し(No.279)からむを解す(No.170)では金やセルロースなどの溶け難い物質の溶解剤に触れました。殊に、有効成分のみを液体の形で抽出(溶解剤を媒体として)するのは人間の知恵の代表格。言うなれば抽出とは誘い出しのプロセス。即ち仲間を差し向けて誘い出す、とは言っても狙う相手だけを連れて出て来るには一工夫が。更に効率的(時間的・熱的等)にとなると更なる工夫が必要。その上、連れ出した人と誘い人(誘介剤)をどう別れさせるか、誘介人が悪人(汚染型)では困るし・・・・・。そんなこんなをを思い乍ら技術情報を眺めてみた。

  • 五フッ化アンチモンとフッ化硫酸の混合物は100%硫酸の10^8(10の8乗)倍以上と計算されている。さすれば如何なる岩石をも瞬時に溶解出来るのかな?
  • アネキシ型蛋白質を含有する血栓溶解剤は新世代レベルか?
  • ポリエステル・ポリカーボネイトの溶解回収に、塩素系であっても塩化メチレンが総合的に優れたものか、非塩素系の効率的溶解剤は未だしか・・・・・?
  • 水素配管のスケール除去にジアミン系化合物がベストか?
  • PETはエチレングリコール(EG)で溶解、BHET迄の低分子迄分解出来るのでPETの再生利用に画期的・・・・・か?
  • パラ・アラミドポリマーの濃硫酸溶解によるゲル紡糸法(Dupont)のあとの新技法の溶解剤は・・・・・?

溶解能力が如何に高くあろうとも、溶解 - 抽出後の分離の容易さと廃剤のリサイクル性、環境安全性などが兼ね備わっていること肝要。文武両道なるべし・・・と。

 

● Report No305 / 04月05日


光エネルギーを浴びせる

紫外線(UV)硬化プロセスは、もの造りの現場で広範囲に用いられている。光の当らない個所もあると不都合ゆえ、光照射のあと加熱或いは光/熱同時(Dual-Cure)方式があり、熱も自己の反応熱によるか、熱雰囲気か、とある。このUVも、単純ではなく、キセノンランプをパルス状放射システムに転換すると、低温化なれど強力な瞬時照射が出来るようになりDVD貼り合わせなどで既に実用化。

UVだけではもの足らずと、真空チャンバー内にUV硬化性コーティング剤を施した塗装物を入れて、イオン化ガスの導入とプラズマ放電によって発光する紫外線で重合・硬化せしめる方式は新しい。当然乍らUVを伴なわないプラズマ重合の存在も気になるところ。調べると大気圧グロー放電型・マイクロプラズマ型・パルス変調型・熱プラズマ型・コロナ型等々と多種、どこ迄重合・架橋・膜形成系に利用されているのかな・・・・・。でも折角重合しても一方で光崩壊現象を引き起こすとなると、エネルギーが強ければよいと言う訳ではない。

そんなところで、アルミフォイルに包んださつま芋が電子レンジ(チン)で可なるは表面波プラズマ(高密度プラズマが維持された状態)に基因するとの説に接した。いっそのことγ(ガンマ)線を浴びせたら、と眺めるとポリマー表面分子のグラフト(接ぎ木)重合に、キレート形成・イオン交換基の導入に可とのこと。

光エネルギー情報の流れの中に浴してたゆとう(揺蕩・ゆうゆう漂う)気分も、又心地よいもの・・・・・。

 

● Report No304 / 03月28日


超撥水と親水

No.80「撥水性」で水を撥く(弾く)ことに触れました。それから5年も経過するとより多角的な発表に触れ、めまぐるしさを感じます。シリコーン系・フッソ系を中心とする薄膜形成から、フラクタル構造の形成等とは別に続々と目に付く状況に。

  • 自己組織化単分子膜(SAM)の形成 - 感光性カップリング剤(シラン系・チオール系)への光照射による親水 - 疎水性の制御はレジスト・細胞接着パターン蛍光微粒子の吸着等に可能性もつもの(神奈川大)
  • フッ化ピッチと金属の複合材を熔射材とする、大型鉄鋼構造物への氷雪付着防止被覆材(接触角140℃以上)。(北見工業大学)
  • 真空雰囲気でイオンビームを利用して反応基をポリマー表面に注入するイオン補助反応により表面改質する技術、超撥水面を超親水面に改質。(ミクロ技術研究所)
  • 真空紫外エキシマ光によるポリマー表面の親水化や常温での無機酸化膜形成。
  • ポリマーブレンド系の相分離現象による組成分の表面への傾斜的移行。[アクリル/フッ化ビニリデン]系が面白そう。
  • 撥水製材料の特定表面部位の超撥水化による水滴薄膜化は乾燥性の優れたポリマー型建材に。WENDEL理論に基いての特徴的な微細凹凸を形成する金型技術。現行材料のままで表面親水化は可能性用途は広い。(日立ハウステック、3大学)

物(人)になじむ、なじまないにからめて眺めると、いくつかコジツケ語が出来そう。

 

● Report No303 / 03月21日


ナノテク・ラッシュ

からすの鳴かぬ日はあってもナノテクニュースの無い日はない、程ゴールドラッシュならぬナノテクラッシュ。あたかも西部開拓史時代の土地を求めてきんを求めて大河を渡り、山脈を踏み越え、人と牛馬の大移動。幸運と失望のドラマの展開、と重なり合う。

新規技術として出現のナノテクは半導体に比肩するインパクト、それは半導体と競い合うのでなく、相互補完いや相乗させての無限に近い利用効果を人類にもたらすもの、と。

ナノ粉は自然からは生成されないものゆえに、何かと不安定。不安定と言うことは特異の活性をもつと言うこと。それは物理的にも化学的にも、いや物理化学的と言った方が・・・・・。そしてその活性発現の為に、ナノ級の構造集合体が必要となり、それは物理化学分性物・電子工学・計測制御等の集中的バックアップが不可欠となる様だ。その結果砂金や緑の牧草地ならぬ、量子効果デバイス・CNTと金属原子の複合体・ダイアモンド薄膜・超高感度バイオセンサー・光触媒機能・ナノ構造制御ポリマー・スーパー合金など果てしなく出現しよう。

さて、どの幌馬車隊に参加・乗り込んで、どんな宝物を狙うのか、が重要。個々の応用・利用分野は広いだけに、その価値も高いものだろう。名誉と 報酬ほうしゅうを求めての開拓(開発)レースは既に地球規模。成功(歓喜)の裏に苦悩(責任問題)があること、常に留意してゆかねばならない。

 

● Report No302 / 03月13日


ナノ粉の毒性(二)

別項(No.261)でナノ粉の毒性の心配に少々触れました。その毒性を知らず、いや気付かずして単に便利だからと安易に使用し、その結果あまりにも厳しい惨禍さんかを味わってしまったPCBやアスベストの二の舞を恐れての基盤研究が厚生労働省でスタート。フラーレン・酸化チタン・CNTなどマウス実験へ。ナノ物質は表面原子の比率が大きい為、活性反応が激しく、環境保全には適であっても人体細胞にとっては危惧される。よってナノ材の評価方法開発の為の準備的研究も不可欠なだけにナショプロ設定は当然と。

一方、文部科学省もH17には「ナノ材の人体・環境に及ぼす影響に関する文献調査」レポートを上梓。殊に発ガン促進作用の可能性に重点を置いてのもの、と。か様な風潮の中では否応なく新規の情報に頻繁に触れるようになった。

  • ナノ級プラチナ粒子は皮膚の老化防止に効能有(松下電工/東京歯科大)
  • 金属を含まないカーボンナノホーンは細胞毒性なし(東大グループ)
  • UV防御効果狙いの化粧品向けナノ級(φ20ナノ以下)酸化チタンを配合した商品メーカーは日本だけでも100社以上に達する。

産業界では50年に一度の超大型新規(形状)物質となると、全ゆる可能性を求めての開発レース。生物活性度が高いと想定されるだけに、その安全評価(急性毒性・皮膚刺激性・光過敏性・変異原性など)の手法が今迄の知見で適用するとは思えない。又、短・中・長期に亘るウォッチングも極めて肝要、"石橋を叩いて渡る"が本当と。現実は叩きながら渡っている様に見えるのが気がかり。

 

● Report No301 / 03月07日


発泡金属

身近な発泡材料と言えば食品トレーの発泡スチロール・寝具のウレタンフォームなど。発泡品はプラスチックのみならず住宅用のコンクリートパネルにも見られる。発泡品の空洞は文字通り空気。その空間率は99%に達するものもある。又、気泡が連続したもの(スポンジ)不連続のもの(セルラー)とあり、空気が主容量成分なればその結果は軽量・断熱・光透過散乱・外力吸収の特質を内に秘める。

最近の注目は発泡金属。上市されている金属はSPCC、SUS、Mg、Ni、Ag、Auなど、その中でも特筆はAl(アルミニューム)が面白い。一般には発泡金属はスポンジ型が多いが発泡剤等の工夫によってセルラー型も出現。Alも溶融法とは別に新たに粉末プロセス法が開発されNEDOプロジェクトとして自動車の長尺部品・大型部品への利用が検討されつつあり、当然のこと乍ら住宅や住宅機器等への波及効果が期待される。自動車の安全性向上の為の軽量性衝撃エネルギー吸収材料として最右翼に位置することは当然となれば バンパー/フラッシュボックス/吸収ポッド 等々へと。

一般に金属は塑性材料、その発泡材となればあまりにも素直な外圧追随変形能ゆえに、応力緩和率100%で身が立つ様な構造材パートナーとの組合せも開発注目点。発泡金属もブロック状・シート状、又 気孔率と気孔サイズいろいろと、プラスチックに遅れること○○年、新規性機能材料の仲間入りに。それも単なる強度コントロール材ではなく、触媒のキャリア材や人工骨の躯体等々、粒空間をどう生かすかも重要。知恵を孔埋めに注ごう。あな恐ろしならぬ孔楽し。